日本企業を志望しないグローバル人材

2017年08月07日 06:30

日経産業新聞に『外資選ぶ「グローバル人材の卵」たち、日本企業の片思い? 英語力、持ち腐れ』という記事が出ていた。これは、日経電子版の別タイトル記事とほぼ同一の内容である。

国立大学生は経団連加盟企業が定める採用活動解禁日以前に内定を取ったという。米国留学から帰国した私立大学生はインターンに参加した企業に早々に就職を決めたそうだ。日本企業の採用現場で幻滅・失望を経験する学生もいる。実力で評価されたい、公平に透明に評価されたいといった意識が外資系を志望する理由だと記事はいう。グローバル人材を採用したいという日本企業の思いは強いが、学生たちは日本企業を選ばない現実がある。「働き方改革」が唱える長時間労働の改善や育児環境の整備は外資系に流れる学生たちの意識と合っていない、と記事は指摘する。

事態は深刻である。日本企業はなぜ一斉に採用活動を実施し、入社するとなぜ一律に現場実習などを課するのだろうか。インターンシップは流行しているが、採用活動に直結させないという建前は崩されていない。そんな横並び意識がグローバル志向の学生に嫌われると早く気づかないと、日本企業の競争力は低下する一方である。

グローバル人材を取りづらくする申し合わせを容認するとは、日本経済団体連合会加盟企業はお人よしが過ぎる。そんな申し合わせする悪習を廃止すべきだ。申し合わせには文部科学省や大学も関わっている。そこでは正常な学校教育と学生の学修環境の確保という建前が強調されているが、各大学には現実が見えていないはずはない。そもそも、記事にあったように春休みの間に内定を取ってしまうことが、なぜ正常な学校教育と学生の学修環境に悪影響を与えるのか理解できない。

以前に記事『インターンシップをめぐる有識者会議の無価値な提言』に書いたが、インターンシップについて文部科学省が口出しするのも間違っている。

政府の推進する「働き方改革」の中心は柔軟な働き方である。それに合わせて、日本企業の硬直化している採用活動もより柔軟な方向に見直しすべきである。

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