世界こどもの日に「子どもの貧困」問題を考える:子ども宅食

今日、11月20日は、国連が定める「世界子どもの日」(Universal Children’s Day)です。世界子どもの日は、子どもたちの相互理解と福祉を増進させることを目的として作られました。

「世界子どもの日」に、日本の子どもたちに襲いかかる、貧困の問題について考えてみませんか?

ひとり親家庭では2人に1人が相対的貧困

「日本に“子どもの貧困”なんて存在するの?」と思われるかもしれません。

実は、日本の子どもたちの7人に1人、ひとり親家庭では2人に1人が経済的に厳しい状況にあります。

日本での貧困の多くは「衣服がボロボロで食べるものもない」という状態ではなく、「最低限の衣食住を保つのにギリギリで、それ以上のことはできない」状態にあります。衣服は安く買えることから、見た目では経済的に厳しいことが全く分からないことも多いです。

経済的に厳しい家庭の子どもたちの場合、修学旅行や塾に行けないなど、経済的な理由で周りのお友達と同じ経験ができない状況にあります。

相談を待つのではなく、支援者が自ら手を差し伸べる

自治体には様々なサポートがありますが、基本的には窓口に来てくれた人に対して、支援メニューを提供しています。窓口に行く時間がなかったり、心理的なハードルが高かったりする人は、窓口まで足を運ぶことができません。

そこで「こども宅食」では、相談してくれるのを待つのではなく、私たちが自らご家庭に足を運ぶことにしました。

「相談は必要ですか?」とドアをノックするのではなく、食品を届けることをきっかけに、相談などのニーズがないかを聞くことにしました。食品は生活に必要ですし、喜んでいただけます。

「こども宅食」では、経済的に厳しい状況にある子どもたちとその家族の元へ食品を届けます。家庭訪問時の「お母さん、最近寒いですが、体調は崩されていませんか?」そんな些細な会話から関係性を築くことを大切にしています。もしもその家族が困りごとを抱えていた場合は、それぞれの家族に合わせた支援を届けていきます。

こども宅食を届けた ご家庭からの声

10月15日、16日には、初めて「こども宅食」のお届けをしてきました。お届けしたご家庭からこんな嬉しいお言葉をいただきました。

「こども宅食のスタートありがとうございました!!食べ物ももちろん嬉しかったのですが、ひとり親家庭を応援したいという暖かい心が何よりも嬉しいです」

「子どもたちは大喜びで興奮していました。色々なものが入っていてビックリしました!
意外にも子どもたちに人気だったのはふりかけでした。ウチはご飯派なので助かりました。
この度はありがとうございました」

「先日、第一回目の宅食を受け取り、子供も大喜びで、早速おいしく頂いております。生活費のしわ寄せが食費に響いてしまうことも多く、とても有り難いです」

今も300世帯が「こども宅食」を待っています

喜びの声をいただき、無事に配送できたことに、ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間。

実は「こども宅食」では、当初は150世帯に食品を届ける予定でしたが、当初の3倍以上の458世帯からのお申込みがあったのです。今も300人の子どもたちとその家族が、こども宅食が届くのを待っています。

ご希望いただいた家庭すべてに食品を届けられるように、引き続きご寄付を受け付けています。応援をよろしくお願いします。

「こども宅食」の応援はこちらから


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2017年11月20日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。