米山知事、福田次官、前川喜平氏、誰が最も「悪質」か

八幡 和郎

Wikipedia、新潟県サイト、共同通信より引用:編集部

「米山知事が周囲に語っている内容でいうと、いわゆる出会い系サイトで若い女性の方と知り合って関係を持ったと。そのとき、金銭供与が生じているということのようです。知事になった後も回数は少ないけどもあったというようです」(17日放送のフジテレビ系「とくダネ!」に出演した共同通信社の柿崎明二論説委員は取材で得た情報として、こう明かした)のだそうで、これが辞任検討の理由らしい。

このところ、福田財務次官もセクハラ発言をしたといって辞めろとかいわれている。
しかし、翻って考えれば、
①既婚者の文科事務次官が出会い系バーに入り浸っていた、のと
②独身の新潟県知事が少しお遊びしていた、のと
③財務事務次官が酒の場で品の悪いトークをした、のと
どれがいちばん悪質か順序をつけるとすればどうなるのか。

私は①②③の順序だと思う。文部科学事務次官という、全国の先生方にとって模範的であるべき立場からいって許されないと思う。同じことを校長先生がしたらただではすまないだろうからだ。学校の先生に対して禁欲的であることを要求している親玉の立場から許されない。

それを考えるなら、前川喜平氏が怪しげな出会い系バーに通い詰めたときは注意だけだったのとどうバランスを取るか議論があってしかるべきではないか。

それと比べれば、福田氏にしても米山氏にしても、その仕事柄、特別に許されないということではない。いずれも、おぞましいが、前川氏の場合のように、その職務と特別の事情で両立不能なわけではない。

財務事務次官セクハラ問題は、私が財務相の立場なら、「発言が本当だとしたら不適切であり、財務省の事務方トップにあるものとして重大なミスである可能性があるが、事件の全容が明らかになるにはもう少し時間が必要であるので、それをみてで最終的な処置を講じたい」とでもいうだろう。とりあえず謹慎とかいうのもいいかもしれない。日本ではなんでも迅速対応をしたがるが、迅速対応は適正さを常に犠牲にする。これは別に一刻を争う話でない。

「番記者は情報がほしいから福田次官にセクハラ発言されても我慢してきたということ。報道機関なのだから、ここまで嫌がらせを受けていたなら、堂々と勝負するのが本来のメディアとしての役割であるはず」という猪瀬直樹氏のコメントはその通りだと思う。

野田聖子総務相は「女性のセクハラ被害は、直接の被害だけではなく、なかなか訴えられないということも問題の一つだ」といっているが、それは一般論としては正しい。しかし、このケースは人に知られては恥ずかしいような被害を受けたわけでないし、本件で職を失うとも思えないので少し違うのではないか?

新潮の録音で女性の声がないというのもアンフェアだ。品性よろしくないし厳しい処分が必要である可能性も高いが、少しきな臭いのも事実だ。

米山氏とは彼が知事になるかなり前からFacebookで楽しく議論していたし、蓮舫問題での論争はよく知られている。医者として家族の病気について丁寧なアドバイスをしてくれたこともあって感謝している。

その後、彼が知事になってから、県庁を訪れて出会い、私なりのアドバイスもしたのだが、その後、FBで彼の投稿にささやかな批判をしたらブロックされてしまった。

すばらしい知力の持ち主なのだが、頭が回転しすぎてあれやこれや理屈を考えすぎ、ときに過激な反応をするのが惜しいところだ。