ホテルのランクは下げて良い⁈ 議員視察でもっと合理化できること

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

二日間に渡る公営企業委員会の視察を終え、帰京いたしました。

都議会では各常任委員会で年に1度「管外視察(都外への視察)」を行う慣習があり、一泊二日の行程を取ることが多いです。

現地での食費は自己負担になりますが、往復の交通費や宿泊費は公費負担となっています。

二日間と言っても東京からの移動時間があるので、時間は極めてタイト。

公営企業委員会は水道局・下水道局・交通局と3つを所管しているので、短い時間の中で4ヵ所の視察に周りました。

とりわけ印象に残ったのは、浸水被害への対策で作られた山王雨水調整池。

地下に貯水池を作るのは東京都内や首都圏でも類似の施設があり、「東京地下神殿」には私もかつて視察に訪れました。

参考:リアル秘密基地?うわさの「東京地下神殿」に行ってきた 

特徴的なのは、この地下部分の貯水池のキャパシティを超えることが見込めまれたときは、地上部分にある野球場が貯水池の役割を果たす点です。

写真だとわかりづらいのですが、こちらの野球場、周囲の地上部分から約2メートルほど沈んで作られています。

ここに水を流し込むと、15,000㎥ほどの水を貯水することができ、浸水被害を防げるわけですね。

2006年に完成してからこれまでに二度ほど、この野球場が湖のようになった(貯水池として利用された)ことがあるそうです。

それ以外の際は、野球場として週末を中心に非常に高い稼働率を誇っているとのこと。

平時には土地を有効活用しながら、地下ではなく地上部を貯水池・調整池にするという試みは、東京都の都立公園などでも実現可能でしょう。

年々深刻化するゲリラ豪雨・浸水対策の一環として、参考になる取り組み・施設でした。

その他の視察場所で学んだ点についても、折に触れてまたご紹介していきたいと思います。

さて、こうした公費で行なわれる「議員視察」は果たして有効なのか、費用対効果が良いのかというのは、海外視察に限らず常に議論をされるところです。

【参考過去記事】
政治家の海外視察は果たして、「税金の無駄遣い」なのか?
議員・政治家の「海外視察は無駄なのか」問題に決着をつけよう。議員視察が必要な3つの理由

私は成果をきちんと還元できるなら視察は無意味ではないと考える立場ですが、都議会の視察はまだまだ合理化できると感じるのも確かなところです。

例えば以下の2点。

●宿泊費のコストセーブ

今回の視察で泊まった宿は「ホテルオークラ」のツインルームでしたが、正直、もうワンランク下のビジネスホテルでも十分でしょう。

立派なお部屋だけど、ほぼ寝るだけですし…。

議員+随行スタッフ(約20名)がここをランクダウンすれば、10万円くらいは公費負担をセーブできるのではないでしょうか。

●随行スタッフの減員

今回の視察では東京都の職員が8名、視察に随行されました。

たいへんありがたくこちらとしては助かるのですが、議員13名(1名欠席)に対して8名は、やはり過剰な感が否めません

多くなる理由は所轄局が多い点にあり、水道局・下水道局・交通局からそれぞれ2名、そして議会局から2名が参加されるので合計8名となります。

やはりここは各局1名に絞るか、取りまとめ役を設けるなどの工夫をする余地があるように思えます。

こうした点なども提案しつつ、都議会議員が公費で行う視察をより合理化していきたいなと考えております。

視察をアレンジしてくださった都職員の皆さま、何より受け入れて下さった福岡市職員の皆さま、本当にありがとうございました!

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年4月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。