読書で他人の人生を経験。麻原彰晃三女・アーチャリーの壮絶な人生

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

先日、幻冬舎の箕輪さんより見城徹社長が上梓した新刊「読書という荒野」をいただき、

人間は一つの人生しか生きることはできないが、読書によって他人の人生を経験することができる(要旨)

と言ったことが書かれていて、まったくそのとおりと膝を打ったところであります。

読書という荒野 (NewsPicks Book)
見城 徹
幻冬舎
2018-06-06

そんなタイミングで、私とまったく同年代である松本麗華さん(麻原彰晃の三女・アーチャリー)の著作「止まった時計」を読み、言葉に表せないくらいの衝撃を受けました。

きっかけは、宇佐美典也さんと共同で運営しているオンラインサロンのゲストに、宇佐美さんの人脈で松本さんを講師にお招きしたこと。

31日がイベント当日なので、その前に著作をしっかり読んでおかないとなーと軽い気持ちで手に取ったのですが、あまりにも重い内容でした。

オウム真理教による一連の事件が起きたとき、私は小学校の高学年。

未曾有の凶悪事件に子供ながらに衝撃を覚えつつも、学校では級友たちが

「しょーこー♪しょーこー♪しょこしょこしょーこー♪」

という歌を口ずさみ、冗談交じりに「ポアするぞ!」なんて言葉が飛び交ったりもしていました。

中学・高校に進学するにつれて一連の事件の公判も進み、マスコミを通じて通り一遍の知識は得ていたものの、私の中ではすっかり「過去の事件」となっていたのが正直なところです。

しかし松本麗華さんの著作を読むと改めて、「なぜ、オウム真理教はあのような凶行に及んだのか」という根本的な理由は、ほとんど解明されていないことに気付かされます。

もちろん、オウム真理教実行犯が行った犯罪は絶対に許されないことですし、そのトップである麻原彰晃氏の責任が極めて重いことは言うまでもありません。

しかしながら、その本人の証言がほとんど得られないまま「尊師の命令」として公判を終えてしまったことには、大きな疑問が残ることも確かです。

何より、「麻原彰晃の娘」「教団の影の支配者」とまで言われてきた松本麗華さんの人生は、凄まじいものがありました。

常にマスコミに追いかけられ、地元の公立中学校からは事実上の「入学拒否」をされる。アルバイト先も、身分がバレた途端にクビになる。

そして大検を取得し、実力で合格した大学すら「入学不許可」という裁定を下すのだと言うことを、私はこの本で初めて知ることになりました。それも、3つもの大学が・・・。

「出自で人を差別してはいけない」

という当然のことが、現代社会でこうも簡単に踏みにじられていたという事実。

こうした困難な人生をここまで、松本麗華さんはどのように乗り切ってきたのか。

私と同世代の方のみならず、オウム真理教事件を知るすべての人に一読していただきたい著作だと感じています。

宇佐美典也と音喜多駿の「ゆるい政治」リアル勉強会#3 テーマ「それぞれにとってのオウム真理教」

そして31日(木)19時から、その松本麗華さん本人をお招きしての勉強会が開催されます。サロンメンバー以外もチケットを購入して参加可能です。

著作を読んだ方も、「本を読むのはしんどいけれど、講演ならば…」という方も、ぜひ足をお運びいただければ幸いです。

お申込みはこちらから

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年5月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。