身の安全は「自己責任」では守れない

2018年10月26日 15:00

シリアでテロリストの人質になっていたフリージャーナリストの安田純平氏が解放されたが、マスコミは妙に甘い。たとえば日本人拘束、繰り返される「自己責任論」という朝日新聞の記事は、ネトウヨが「自己責任」を主張して彼を「バッシング」しているという印象操作をしているが、これは逆である。自己責任を主張したのは彼なのだ。

安田氏は一貫して「危険な取材は自己責任だから政府は妨害するな」と主張している。日本政府はシリアへの入国を禁止しており、ビザは発給されていないが、彼は2015年6月にシリアに密入国し、行方不明になった。ところが2016年5月に、こういう写真がFacebookに投稿された。

このメッセージが本人の意思かどうかはわからないが、彼がこの状況を自己責任で逃れられなかったことは間違いない。今回の解放では3億円以上の身代金が支払われたともいわれるが、それも彼の家族が払ったわけではない。つまり彼の行動は、自己責任で身を守ることはできないということを示したのだ。

これは内戦状態の国だけではない。日本国民の安全を守っているのは自衛隊や米軍であり、日常生活で安全を守っているのは警察だ。国民の安全を守ることが政府の最大の責任であり、これは国外でも同じだから、外務省はカタールなどを通じて彼の解放に努力した。

ところが安田氏は拘束される前に、繰り返しツイッターで「取材の邪魔をする安倍政権」を非難して「チキン国家」などと罵倒し、今回の帰国の機内でもNHKのインタビューにこう答えている。

トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかったので、ああいう形の解放のされ方というのは望まない解放のされ方だった。

つまり彼は政府に感謝もせず、解放は政府のおかげではないと言っているのだ。このように自分の行動に責任をもてない人物を放置すると、また同じような事件を起こすおそれが強い。政府は彼のパスポートを没収し、永久に出国禁止すべきだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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