「野党は賛成ばかりして対案を出し続けている」が客観的な事実

2019年07月13日 06:01

「野党」に対するイメージ

「野党は対案を出さずに反対ばかりしている。」

安倍首相を中心とした政権与党幹部などからは、こうした趣旨の発言が繰り返しメディアなどを通じて発信されます。

しかしながら、本当に野党は、法律案・対案を出さずに与党が言っていることに対して反対ばかりしているのでしょうか?

今回はそれらの意見をファクトチェックするために、様々なデータをもとに検証してみました。

立憲民主党は、政府提出法案に約80%賛成している

2017年10月に立憲民主党が結党されてから一年半。

2017年11月に開会された第195回国会から2019年6月に閉会された第198回国会を見て参ります。

データから見える客観的事実の要点

立憲民主党 会派は、政府提出法案に79.5% 賛成

国民民主党 会派は、政府提出法案に82.2% 賛成

最も賛成率が高かったのは、日本維新の会の86.8%

最も賛成率が低かったのが、日本共産党の53.4%

◆詳細データはこちらのグーグル スプレッドシートをご覧ください。

これが紛れもない客観的なデータ検証の結果です。

日本維新の会は、政権に近いとされている党でありますが、客観的データからも賛成率が一番高いというデータが出ております。

また、賛成率が一番低い共産党でも、政府提出法案に53.4%賛成をしております。

「共産党は何でも反対」という発信をされる方がおられますが、過半数以上賛成している事実を客観的に踏まえれば、是々非々の賛否両論で挑んでいるといった表現などが正しいのではないでしょうか。

そして我等が立憲民主党は、79.5%と、約8割賛成をしております。

立憲民主党は、野党なのに政府が言っていることに対して、賛成ばかりしていてけしからんと、お叱りを頂くこともあるかも知れませんが、やはり良いものは良い、悪いものは悪いというスタンスで生産的な議論を進めていきたいという想いからであります。

もし周囲に「野党は反対ばかりしている」という発言をされる政治関係者がいたら、その方は、内容が嘘偽りだとわかっていてもプロバカンダとして意図的な印象操作を行っているか、もしくはファクトチェックを行わず、ステレオタイプで情報発信をしている無知の極みであるかのいずれかである可能性が高いと思います。事実誤認をしている方がいたら客観的なデータを踏まえた事実を是非お伝えください。

注目して欲しい反対している20%

データから見ても明らかな通り、私たち立憲民主党は、ライバルである政権与党の提案であるから何でも反対をしているわけではありません。

平和で豊かな国民生活を創ることを念頭に、深く審議した上で、賛成すべきであるか、反対すべきであるかを判断しているからこそ、与党提案の法律案に約8割賛成しております。

そうした中で、みなさまに注目して欲しいのは、立憲民主党が反対をしている2割の法律案についてです。

多くの法律案に賛成しているにも関わらず、2割の法律案には反対しているのには、必ず理由があります。

反対している法律案には、明らかに反対すべきおかしなポイントが存在しているのです。

例を挙げれば、

「党利党略で自民党国会議員の身分保障を優先した参議院議員定数6議席を増やす法案」

「成長戦略、依存症対策などあらゆる面で疑問だらけなのに、賭博ギャンブルを解禁して実行するカジノ法案」

「捏造データをもとに審議を続けてきた、働き方改革関連法案」

など、世論調査を見ても国民の多くが疑問を持ち、反対している方々が多数派を占める法案ばかりです。

今後、私たちが反対している法律案があった時には、

「野党だから反対している」

と思うのではなく、何かしらの問題があるから侃侃諤諤の議論を与野党で行っているのだなと客観的な目でご注目頂けましたら幸いです。

そこには、必ず反対すべき「明確な理由」があることがおわかりいただけると思います。

立憲民主党は、104本の法律案を国会に提出している

「野党は対案を出さずに批判ばかりしている。」

これもよく聞こえてくる発言ですが、これは客観的な事実でしょうか?

ちなみに立憲民主党は、結党後開会された第195回国会から第198回国会までの約一年半の間に104本の法律案を提出させて頂きました。

この中には、

「ギャンブル依存症対策基本法案」
「原発ゼロ法案」
「子どもの生活底上げ法案」
「隠蔽情報公開促進法案」
「手話言語法案」

立憲民主党提出 議員立法一覧

など、皆様にお約束をした公約や政府案への対案などが多く含まれております。

しかしながら、今の政権与党はあまりにも数が多く、審議する法案や内容も自分たちの都合で決めることができます。

その結果、野党が法案を提出しても、原発ゼロ基本法案など審議され、報道に流れることで争点にされたら困る法律案などについては、政府与党が審議自体を拒否し、都合の悪い法案は審議すらしていただけないというのが、現実です。

原発ゼロ基本法案について、2018年3月4日に行った東京新聞の世論調査によれば、原発を何かしらのかたちでゼロにしたいと考えている方は75%おりまして、国民の多くが原発はゼロの方が良いと考えております。

その状況で野党が提案する原発ゼロ基本法案が審議されると、メディアを通じて広く国民に情報発信がなされ、世論が喚起されてしまうと原発を推進したい政府与党にとって、都合が悪いのです。

こうした法律案は他にも多数ございまして、野党議員のみで提出した法律案204本中、与党が議決に応じた数は、わずか7本(3.4%)でございました。

詳しくはこちらの一覧表より

歴史上、権力は必ず腐敗するという格言がありますが、政権与党が自分たちの意見のみを反映させた政府提出法案の成立を優先し、対案である野党提出法案を殆ど審議すらせず、蔑ろにしている現状は健全な民主主義とは程遠いと思います。

国会の現状は、

「野党は対案を出さずに批判ばかりしている。」のではなく、

「野党が対案を出しても政権与党が審議を蔑ろにしている。」がデータから導き出される正しい見解です。

その情報は客観的であり、根拠があるのか?常に見つめ直すことが重要

これらの数値や実態を客観的にみて、野党は対案も出さずに政権与党の反対ばかりしていると仰る方はまずいないでしょう。

様々な場所で、「野党は対案を出さずに反対ばかりしている」という人々は、どのような根拠をもとにそのような発言をしているのかわかりませんが、客観的な事実に基づいた意見でないことだけは間違いありません。

あえて申し上げさせて頂くとすれば、そのような意見を述べる方々は、偏った情報収集により物事を判断し、客観的に物事を見ることができおらず、定量的なデータではなくステレオタイプで物事を判断する傾向があり、自分と違う意見は、2割程度の少しでも気に入らず、耳を傾けようとしていないと言えるのではないでしょうか。

また最近、年金問題に関して「野党は年金を政争の具に…うんたらかんたら」と仰る政権幹部や与党支援者の方がおられますが、こんな面白い記事が出ておりましたので、ご紹介させて頂きます。

第一声分析 各候補の戦略、個性表れ(神奈川新聞)

神奈川新聞より引用

これは参議院選挙において、神奈川選挙区の各候補が行った演説がどんな内容であったかということを客観的に示したデータでございますが、野党候補は殆ど年金の話に触れていないのに対して、与党候補は火消しに躍起なっているのか、演説の半分以上を年金の話に割いているということがデータから導き出される事実です。

このデータを見て、言い訳や印象操作を行っているのは、一体どこの誰かということは一目瞭然だと思います。

そして安倍晋三首相の「悪夢のような民主党政権」という言葉に代表されるような政権幹部から発信される「民主党政権よりはマシ」という趣旨の発言も信憑性はいかがでしょうか?

少なくとも、民主党政権時の2012年頃と比べて、賃金は3.6%減少し、消費は1割近く低下をしました。

経済の成績表である実質経済成長率は、民主党政権時の2010年から2012年は1.8%ですが、現政権の2013年から2018年は1.1%。

日本経済新聞の世論調査によれば、約80%の方が景気回復を実感していない。

その他にもあげればキリがありませんが、経済がよくなった、よくなった、よくなったと刷り込みのように言われ続けたアベノミクスの実態と民主党政権時代の経済状況を是非客観的にご覧頂きたいと思います。

メディアが急速に多様化してゆく中で、正しい判断をする前提として、まず大事なことは、正しい情報やデータをもとに物事を考察することだと思います。

今の時代は、報道や情報を鵜呑みにせず、その真偽を慎重に確かめながらファクトチェック(事実がどうかの確認)を行い、真実を客観的に判断するメディアリテラシーの向上が求められております。

この記事を読んでいただいた皆様におかれましては、有益な情報を取り入れるために、先入観や固定概念を捨て、様々な事象をファクトベースで俯瞰的にご判断していただけましたら幸いです。

中谷 一馬 衆議院議員 立憲民主党
1983年生まれ。横浜市出身。IT企業「gumi」(現在、東証1部上場)創業参画を経て、2011年神奈川県議選(横浜市港北区)で民主党から出馬し初当選。2度目の国政選挑戦となった2017年10月の衆院選は立憲民主党推薦で神奈川7区から出馬、比例復活で初当選した。公式サイト

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中谷 一馬
衆議院議員(比例関東、立憲民主党)

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