スベった吉本興業。笑えない社長会見に強まる辞任圧力

2019年07月23日 11:31

参院選への関心もぶっ飛ばした吉本興業のコンプライアンス問題。宮迫博之さん、田村亮さんの「告発」記者会見で、批判の矛先が、タレントたちから岡本昭彦社長ら吉本経営陣に向けられて局面が一変した。会社側は、松本人志さんらがベテラン芸人がソフトランディングに向けた「助け舟」を出したにも関わらず、22日の記者会見では責任逃れとも思える発言を連発して墓穴を掘った。

宮迫さんの告発会見を受けて、危機感を深めた松本さんは20日、吉本本社を訪れて、自身の元マネージャーでもある岡本社長らの記者会見を開くように要求。収録済みだった翌日の番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)も内容を緊急生放送に切り替えて、岡本社長がビデオ出演し、22日に記者会見をすることを発表した。松本さんらの動きに対し「ガス抜き」と見る向きもあったものの、吉本側がどのような対応をするか注目されていた。

しかし蓋を開けてみれば、岡本社長は、宮迫さんらに「記者会見をしたら全員クビ」などと述べたとされる発言について、「(宮迫さんらの)不安な気持ちもわかるけど、あまりにも被害者への方への思いが伝わってこなかった」と釈明した上で、「身内感覚な思いから出た言葉」などと説明。話し合いの場で「テープは録っていないだろうな」と念押ししたとされることについても「冗談です」と述べた。そして、経営責任については、自身と大崎洋会長の減俸50%、1年間の処分とし、引き続き職務にとどまる意向を示した(参照:産経新聞)。

記者会見は異例の5時間ものロングランだった割には、批判がおさまらず逆効果に。所属タレントもツイッターで直接不快感を示す人が相次いだ。

コンプラの専門家たちからも続々と突っ込まれる始末。アゴラでおなじみの郷原信郎弁護士は会見直後のツイッターで、「これ程ヒドイ会見はない。言っていることが意味不明。宮迫氏らへの発言について不合理極まりない言い訳」と突き放した。


野村修也弁護士は「真っ先にやらなければならないのはガバナンスの改革。都合が悪くなると「ファミリー」という言葉で覆い隠す浪花節体質を改め、鶴の一声で決まる経営を改革しなければ」と指摘。

一方、「ワイドナショー」で松本さんと共演している国際政治学者の三浦瑠麗氏は、「謝罪会見に「真情」やハラキリ的文化を求めるのはネットもTVも同じ」などと騒動を冷めた見方で評し、「ネットの方が発信源が多様で競争があるだけのこと。そこにはウェットな集団性と家族主義が潜んでいるし、その線上に吉本興業もTVもある。それが日本社会だから。その情にどれだけの将来改革のための理を織り込んでいくかでしかない」とコメントしていた。

この問題が起きて当初、ネットでは、岡本社長が宮迫さんらに「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫」と述べたとされることについても、テレビではタブー視されるだろうという見方が支配的だったが、吉本側の対応があまりに支離滅裂で局側も呆れさせたのか、ここにきて普通に報じられるようになっている。

「スッキリ」(日本テレビ系)でも取り上げており、番組MCで、所属タレントの加藤浩次さんは、問題の当初から番組内で公然と苦言を続けてきたが、23日朝のオンエアでは「何であんなグダグダなんだろう」「(岡本社長の)保身のための会見だった」と容赦なかった。

クールジャパン事業に伴う国費100億円の出資も絡んだ教育事業進出への批判も噴出している吉本興業。吉本経営陣の反社会的勢力への対策の甘さについては2009年の非上場化も影響しているという見方も浮上している(参照:MONEY VOICE)。吉本経営陣への「辞任圧力」も強まる雲行きだ。

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