自分が自分をいちばんわかっていない『結婚不要社会』

2019年08月04日 14:00

結婚不要社会と結婚困難社会

読者の方には、そろそろ結婚をと考えている場合も多いと思いますが、山田昌弘先生のおっしゃるように、日本はとても結婚しづらい社会になっています。結婚しづらい社会になってるなら、結婚しなくても家族が形成できるように事実婚等の制度変更をすればいいのではないかと思いますが、なかなか日本人の意識は変わりません。

いらすとや

なぜそうなのかと言えば、日本人は結婚に愛情と経済性の両方を持ちこんでいるからだそうです。欧米は愛情を優先している社会で、愛情が亡くなればパートナーを変えていくそうです(「比較的」そういう傾向があるということですが)。それは男女の賃金差がないとか婚外子差別がないといった平等な社会制度に根ざしたものと言えます。

けれども、日本の場合は経済問題のほうが大きくなります。男性は結婚であまり変わりませんが、女性はまだまだ結婚によってステータスが劇的に変わってしまう人も多いです。それは経済的な依存関係によります。つまり、経済的な問題があるから、愛情がなくても結婚生活を続けざるを得ないという寂しい結果になります。これからは多少変わっていくとは思いますが。

近代的結婚の「経済的」特徴と「心理的」特徴

しかし、世間体的にも制度的にも、日本は両親のそろった「ふつうの家族」を推奨し、前提としています。日本の結婚は、愛情と経済を同時に追い求めた結果、ひじょうに困難になってしまったということです。では、男性の経済的役割がもっと緩和されて、女性が稼げばいいのでしょうか。

男性学やフェミニズムの先生方々は、男性が男性性を降りればいいのではないかとおっしゃりますが、日本の場合男性が男性のジェンダーロールを降りるとさらに生きづらくなるという無間地獄です。

愛情と経済の二兎を追った恋愛結婚・・・

離婚する割合は約3分の1といわれています。これもアメリカ並みに2分の1に近づいていくと思われますが、日本の特殊性は、愛情と経済の両方を追い求めた結果だと思います。

さて、恋愛結婚は私たちを幸せにしたでしょうか。

人間は、自分のことがいちばん分かっていないと言っても差支えないと思います。自分が「この人が好きだ!」と思っても、知人から見ると「どうみても合っていない人を好きになるな、この人はいつも」ということは多々あります。

そして、往々にしてその「客観的な意見」のほうが正しいと思います。

ここにお見合いの智慧があったのだと思いますが、恋愛結婚が前提になって、そういった有益な助言をしてくれる人間はいなくなりました。これは人間に自由意思をどこまで信じるかという大きな問題もはらんでいると思います。

経済性を重視した恋愛感情での結婚はうまくいくか?

女性が経済性を重視した結婚は、日本ではまだまだ多いと思いますが、年収重視で婚活に臨むと、競争率が激しくなります。その中から勝ち取って、その人がたまたま相性がよい相手となることを考えると、なかなかたいへんな確率ではないでしょうか(もちろん、たまたま幸せになってるカップルもたくさんいるので、自分もああなるんだろうなと思ってしまう人も多いでしょう)。

こうして、仮にうまく結婚まで行ったカップルでも、初速度的な恋愛感情だけでうまくいっていた当初の結婚生活も、2、3年するうちにほころびが見え始めます。また、日本人は相性よりも経済性を重視してしまうので、この問題をさらに複雑にさせます。

また、恋愛感情から結婚に至ったカップルも、結果的にその相手と「たまたま」うまくいっただけで、「たまたま」うまくいかなかった人と、偶然うまくいったという以外の要因は、そんなに差はないのではないでしょうか。もちろん、よくよく考えて恋愛結婚されている人も多いと思いますが。

けれども、「こんな人じゃなかった」と結婚を後悔、悪ければ子供が幼いのに離婚という道を進みます。

解決策はあるか

もっと第三者の意見を聞き、自分にほんとうに合った人と結婚するという「準お見合い結婚」を目指した方がいいのではないかというのが今回の結論です。これは女性も働いて、ある程度選べる立場になってる必要がありますが、「なんとなく好き」な人よりも「なんとなく合うな」という人との関係のほうが、長く付き合うには適切ではないでしょうか。

人間は、自分自身のことが一番わかっていません。初対面の人でも、自分の考えているセルフイメージよりも適切にほんとうのあなたの姿を見抜きます。自分の好き・嫌い(恋愛感情)だけで判断してしまうのは、かなり危険なのではないでしょうか。いわんや経済力だけで決めてしまって、ぜんぜん合わないひとだったというのは、長い人生を考えるととても不幸です。そのためにも、知人にアドバイスを求めるのは有益ではないでしょうか。

こういったことも、学校かどこかでキャリア教育の一環でやったほうがいいのではないでしょうか。老婆心ですが。

中沢 良平

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