踊り場の日韓問題

2019年08月22日 14:00

日韓問題。最近、辟易としているのでニュースもスルーするものが多いのですが、概ね、日本側はたいして盛り上がっているわけではなく、韓国側だけが一部で頑な、かつ、奇妙な不買運動で自分で自分の首を絞めている状態にあります。

はむぱん/写真AC(編集部)

一方、輸出管理規制が強化された半導体材料については2例目の許可も出ており、サムスン電子向けであったようです。このあたりは韓国政府も理解しており、「なーんだ、90日もかからないで許可が出るじゃないか」という振り上げたこぶしの持って行き場がない状態になりつつあります。これは私が当初から指摘してきたように大した影響は出ないはずだ、と指摘した通りです。

直近では不買運動、訪日反対運動の煽りからか、大韓航空が6路線を運休にしました。しかし、ただでさえ赤字の同社に於いてこの運休で空いた機材を回すところがないという頭痛の種を抱えています。韓国の航空会社8社は4-6月決算が全社赤字ですが、その理由には最低賃金引上げによる人件費高騰、ウォン安、日本向け不振といったところが並びます。この3つの理由は全て文大統領の生み出した理由であります。

文大統領は典型的な左派的経済政策の一環として最低賃金引き上げを通じて所得と消費を増進させることを掲げていました。それを受け、最低賃金を2018年は16.4%、19年が10.9%引き上げたのです。これだけの引き上げをすればどうなるか、利益が出ている企業なら吸収できますし、最終消費者に転嫁できればそれもアリです。しかし、財閥系と中小企業の集まりといういびつな企業体系で若年層の失業率が高い中、更なる失業率の増大や消費の低迷と逆効果が出やすい環境を作っているわけで「処方箋の使い方の誤り」であったと申し上げます。つまり、文大統領は経済音痴であります。

そこに外交音痴もついてくるのですから文大統領の得手としているところは何ですか、と伺いたくなります。

文大統領の政策を見てると昔、私が勤めていた会社で一時期上司だった方の顔がいつも思い出されるのです。彼はどっからともなく様々な情報を集めてきて情報マンと化してしまい、最終的に自分が何をしたいのか、情報の壁で身動きが取れなくなってしまっているのです。「いやー、どうしたらいいかなぁ。うーん、困った!」とばかりこぼしていたのですが、この手のタイプの人は情報に攪乱させられて推進力がないのです。

韓国の場合、ポピュリズムの典型で最高裁ですら「時の過行くままに…」のようなところですから、圧倒的カリスマ性をもった指導者が出ないところに悲劇があるとも言えるでしょう。国民も軽い性格で「飛び乗り、飛び降り型」ですのでぱっと見て「これ大好き」「もう人生で最高の出会い…」と言っていたのもつかの間、「もう最低、飛び降りたい気分よ」とあっという間に変わるのはほとんど表層の情報だけに左右されやすい国民性という点もあります。

日韓問題ですが、韓国政府はGSOMIA、日本向け輸出審査規制、福島の汚染水放出計画へのいちゃもんなど何でもござれで好き勝手やり放題となっております。世界の見方は当初の喧嘩両成敗から「韓国はおかしい」に変ってきています。

日本はもともとあった直近の問題である徴用工、慰安婦像の在外公館前設置の問題、和解癒し財団の一方的解散などについて河野大臣が韓国側に善処を求めていますが、昨日の会談でも暖簾に腕押しでありました。

個人的には「粛々」で済ませられるのは半導体材料の輸出管理強化だけだと思います。慰安婦問題は世界でも非常にセンシティブな問題だけに気を付けなくてはいけないのですが、徴用工問題や和解癒し財団の一方的解散は声を大にして世界に実情を訴えるべきかと思います。

日本の外交は概して真面目過ぎる取り組み方が時として損をすることにつながりやすいと思います。世界のバトルを見ると激しさは常日頃で別に日韓バトルだけが世界の中で異質感があるわけではありません。

そろそろ日本側も公明正大に声を上げてもよいのではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年8月22日の記事より転載させていただきました。

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