連載① 森ゆうこ議員による人権侵害は「免責特権」の濫用でないか?

2019年10月21日 06:02

森ゆうこ参議院議員が10月19日深夜、「国家戦略特区ワーキンググループ 何が問題か」と題して、20件以上の連続ツイートをしている。

間違いだらけなので、あとで個々にコメントする。

その前に、私が最も驚いたのは、15日の参議院予算委員会で発言した「(原氏が)国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける(行為をした)」との点について、言及していないことだ。

代わりに、「仮に金銭の授受があれば、特区WG委員に公務員と同等の倫理規定がないため刑事罰を課されないものの、脱法行為」などと言っている。

国会では事実があったと断言し、ツイッターでは「仮に金銭の授受があれば」と仮定の話を装う。

国会では「あっせん利得、収賄」といい、ツイッターでは「倫理規定」(国家公務員倫理規程のことか)にすりかわる。

これは、いったい何なのか。

森議員は先週の記者会見で「憲法第51条」を強調した。国会での発言は憲法第51条の免責特権の対象で、原則として法的責任を問われない。一方、ツイッターでの発言は特権の対象外だ。

つまり、森議員は、国会での発言ならば責任が問われないので、虚偽だとわかっていて意図的に、15日予算委員会での発言をしたのでないか。

参議院インターネット中継より

もしそうだとしたら、これは、悪質な免責特権の濫用だ。(法律論をここで詳述はしないが、判例もある。)少なくとも、そんなことをする人に、国会議員として免責特権が与えられてはならないと思う。

もしそうでないというならば、森議員には、国会での発言について(つまり、私が行ったどの行為が「国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける」ことになるのか)、ツイッターできちんと説明いただきたい。国会のように質問時間の制約もないから、精緻に説明いただけるものと思う。

もうひとつの重大問題は、元・内閣府審議官の藤原豊氏に関して、事実に反するツイートをしていることだ。

毎日新聞が6月11日記事で報じた「会食接待」の話に関しては、藤原氏も私も一貫して、以下の事実を伝えてきた。

(これは、記事が出る以前に、毎日新聞記者からの取材に対して伝えたことでもある。)

  • 報じられた日は、15時まで福岡市中心部で福岡市主催のイベントに出席した。
  • その後、遅くとも16時頃には一緒に空港に向かった。
  • その間に「会食」をした可能性は全くない。

藤原氏が「会食場所に行ったことを認めた」との事実はない。

これだけ明確に「会食」を否定してきたにもかかわらず、今になってなお、虚偽のことまでいって、あたかも「会食」があったかのような事実無根の情報発信をするのは、あまりにひどい。

藤原氏は、当時は国家公務員だ(今は退職されている)。公務員の場合、こうした誹謗中傷を受けても、なかなか国会議員に正面から反論しづらい。こうした弱い立場にある人を狙って、嘘の情報まで流して攻撃しているとしたら、本当に卑劣な行為だと思う。

ついでながら、以上を明確に説明している中で、「お買い物でもしていらしたのかしら」などと詮索をうけるいわれもない。国会議員がこのようなツイートをされていることに、深い悲しみを覚える。

(連載②)に続く

原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。


編集部より:この記事は原英史氏のFacebook投稿をベースに一部加筆・作成されました。

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