世界の建築の歴史を100の名作で理解する

2020年04月10日 14:00

フランスに留学していたこともあって、私はミシュランのように、ある分野のものをもれなく調べ上げて、星をつけたり、ベストいくつとか選んだりするのが大好きである。とくに異分野のものを並べて考えることは、普遍的な価値とはなにかという頭の訓練にもなる。

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そんなわけで、これまでも私は『歴代総理の通信簿』や『全国なんでもベストテン』などの著書を書いてきたが、新刊『365日でわかる世界史 世界200カ国の歴史を「読む事典」』(清談社・4月12日発売)は、さまざまな分野でのベスト100にチャレンジしてみた。100選ぶのが難しいと50とか、ベスト10などもある。

これは、古今東西のものから選ぶわけだから、どういう選び方をするか難しいことがいろいろあった。アゴラの記事でもその苦心談を何回かにわけて紹介したいが、今日は、建築を扱う。ただし、この項目についていうと、私の配偶者(八幡衣代)が建築を専門としているので、彼女のセレクションだ。もちろん、私も意見はいっているが、最終的な決定者は私でない。

また、選定に自分の意見や趣味も反映はされているが、世界でどう評価されているかを基本にしているので変わった選択をしようというものではない。

全体は古代西洋、中世西洋、東洋、イスラム・インド、ルネサンス、バロック・ロココ、19世紀、戦前、戦後、平成以降の10項目につきだいたい10ずつを選んでいる。

現代のものは、美術や文学などほかの分野では扱っているがそれほど多くない。なぜなら、評価が確立されていないからだ。それに対して、建築は世界的に有名な建築家や作品についての評価がわりに安定しているから積極的に取り上げた。

ドバイのブルジュ・アル・アラブ(Sam valadi/flickr)

たとえば、平成以降のページでは、アラブ世界研究所、ブルジュ・アル・アラブ、ハッサン二世モスク、梅田スカイビル、ビルバオ・グッゲンハイム美術館、アクアティクスセンター、金沢21世紀美術館、北京五輪スタジアム、ポンピドゥセンターのメス分館、寧波博物館を選んでいるが、読者はこれらの所在地とか建築家の名前、具体的な姿をいくつご存じだろうか?

ここにも日本人建築家の作品が入っているが、戦後の項目でも、丹下健三、安藤忠雄、槇文彦、磯崎新の作品が入っている。国際的な評価としても決して不自然ではないと思う。

私が自分でいくつ行ったことがあるかというと、イスラム・インドの項目だと6割、全体だと7割くらいだ。果たして、残りの人生でどの程度、伸ばせるか?新型コロナウイルス次第でもあるが、8割をとりあえず目指したい。

シリアのクラック・ド・シュバリエ城塞、エチオピアのラリベラ岩の聖堂などが普通に旅行できるようになる日はくるのだろうか。

クラック・デ・シュヴァリエ(Alessandra Kocman/flickr)

このほかベスト100は、美術、西洋音楽、文芸思想、映画、名前だけの列挙だが死ぬまでに訪れたい観光名所、ほかにそれより数は少ないがオペラ、バレエなど、ポピュラー音楽やスポーツは100という形は取らなかったが同様の発想で主要なアーティストや選手を取り上げている。

ともかく、ベスト100など世界で誰も選んでこなかった項目もある。主としてアメリカ、イギリス、フランス、中国、日本などにおける評価をバランス良く取り入れているつもりなので、自分ならと考えるきっかけにしていただきたいと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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