新型コロナの「真相はこうだ」 忙しい人のためのQ&A --- 佐藤 正和

2020年05月18日 06:00

テレビでは連日、新型コロナウィルス(以下、単にコロナ)に関する過剰ともいえる情報が発信されています。にもかかわらず、日本における死者数が欧米諸国に比べて桁違いに少ないのはなぜか?といった基本的な疑問には答えてくれません。

一方、ネットメディアではコロナの実像に深く切り込んだ議論がなされており、かなりの確度で真相に迫っていると感じます。そこで、コロナの真相を広く一般に知ってもらうべく、Q&Aという形でまとめてみました。

緊急事態宣言で休業中のそば店(編集部撮影)

Q1. コロナの終息に、緊急事態宣言は必要だったのでしょうか?

A1. コロナウィルス新規感染者数のピークは下図のように3/27で、緊急事態宣言が出された 4/7 より早い段階で減り始めていました。実効再生産数で見ても、4/7から急速に低下した記録はありませんので、緊急事態宣言や8割削減はほとんど無関係であった可能性が高いです。

Q2. 安倍首相はこのままでは東京で感染爆発が起こると言っていましたが、その予測は間違いだったのでしょうか?

A2. この予測は、クラスター対策班の西浦教授の試算によるものです。4/7安倍首相は、2週間後に東京都で1万人の感染者が出ると警告しましたが、実際の2週間後の感染者累計は3379人でした。緊急事態宣言の効果が統計に表れるまでに2週間の時差があるので、この数値に緊急事態宣言は無関係です。即ち予測は外れています。

新型コロナウィルス国内感染の状況(東洋経済オンライン)

ツイッター「新型コロナクラスター対策専門家」より

Q3. 西浦教授はなぜ計算を誤ったのでしょうか?

A3. 西浦教授が使ったモデルは SIR と言われる伝統的な感染予測モデルを基にしています。そこで重要な数値は基本再生産数(R0)ですが、その値に、2.5というドイツで推定された値が使われていました。SIR のようなモデルではR0が指数関数的に効くので、少しの差でも大きく異なる結果が出てしまいます。

Q4. なぜ、3月末から新規感染者が減り始めたのでしょう?

A4. もともと日本では、コロナウィルスの感染力は低いと思われます。ある試算によると、R0 0.8 ぐらいではないかと言われます。この試算が正しければ、集団免疫達成を待たずに日本でのコロナ感染は収束するでしょう。

新型コロナは沈静化しつつある!?

Q5.  ではなぜ、3月に急速に感染者が増えたのですか?

A5.  3月に欧米からの帰国者が増えたからと思われます。遺伝子解析で、3月からの流行は欧州変異株であることが確認されていますが、R0が低くても大量の感染者が入国すれば一時的なピークを作ることが可能です。3月末から感染者が減ったのは、欧米からの入国を止めたためと考えた方が合理的です。

Q6.  日本ではなぜ、コロナの感染力が低いのでしょう?

A6.   この現象を説明する有力な説は2つあります。一つはBCG仮説と呼ばれるもので、BCGを接種した場合、自然免疫が活性化され、コロナウィルスに対する耐性が生じるというものです。

もう一つは集団免疫説で、コロナウィルスには複数の変異株がありますが、日本では弱毒性の株が先に流行し多くの人に抗体ができたため、その後に入ってきた別の強毒性の変異株に対して免疫ができているという説です。

写真AC

Q7.   BCG仮説は奇異な感じがしますが?

A7. 各国の人口比死亡率を統計的に比較すると、BCG接種を義務付けている国で低い傾向があるのです。BCG株にも複数の種類がありますが、特に日本株を接種している国(イラク、タイ、台湾など)の死亡率は顕著に低いという統計的な相関が確認されています。

新型コロナとBCGの相関関係について免疫学の宮坂先生にお伺いしました(Yahooニュース個人:木村正人氏)

Q8. しかし、コロナ患者は少ないのに越したことはないので、自粛は続けるべきではないでしょうか?

A8. 自粛は経済に多大な被害をもたらします。統計的には、失業率が1% 増加すると自殺者が約2,000/年増加します。コロナの死者は現時点で累計725名なので、このまま自粛を続けると、明らかに経済的な被害者の方が上回ってしまいます。

Q9. 日本では、コロナの死亡者よりもインフルエンザの死亡者の方が多いというのは本当でしょうか?

A9. 本当です。昨シーズンの季節性インフルエンザの日本における死亡者は3,325人です。交通事故の死亡者も、毎年約3,000人出ています。他の死因に比べて、コロナが取り立てて多いというわけではないのです。

Hoang/flickr:編集部引用

Q10. 日本でのPCR検査数が少ないのは問題ではないですか?

A10. PCR検査数自体は、欧州や米国などに比べて少ないのは事実です。しかし、そもそも患者数が少ないので検査数が少ないのは当然の結果です。問題は必要な検査数が足りているかということですが、現在の陽性率が東京でも7%未満で欧米に比べても低い数値ですから、必要数は満たしていると考えられます。

Q11. PCR検査を日本人全員に実施して、陽性者を隔離した方が良いのではないでしょうか?

A11. その多くが無症状感染者であるコロナ陽性者を隔離することが現実的か疑問ですが、そもそも、PCR検査の精度はそんなに高いものではありません。感度(陽性者を正しく陽性判定する確率)は70%、特異度(陰性者を正しく陰性判定する確率)は99%と言われています。

日本人の市中感染率を仮に1%とした場合、この前提で PCR検査を全員に実施すると、偽陽性者が陽性判定者内の約60%(人数にして125万人)も出てしまいます。つまり、意味のない検査になるのです。

Q12. コロナの件で良くテレビに出演している、白鴎大学教授の岡田晴恵氏は信用できるのでしょうか?

テレビ朝日「モーニングショー」より

A12. 週刊文春によると、岡田氏は国立感染症研究所に勤務していた際に書いた論文で、データの扱いに改ざんの疑いを指摘され、当時の所長から論文取り下げを要求されていますが、それに答えずに感染研を退所しています。また、文部省科研費のデータベースに名前がないことから、大学での研究実績もあまりない方のようです。

岡田晴恵教授「不正実験データ」で感染研所長が論文取り下げを要求(文春オンライン)

Q13. 同様に良く登場する WHO 事務局長上級顧問の渋谷健司氏は信用できるのでしょうか?

渋谷氏(FCCJ公式YouTubeより)

A.13 渋谷氏はWHOの正式な顧問ではなく、テドロス事務局長の私的なアドバイザーであると思われます。また、渋谷氏の専門は感染症ではなく、産婦人科の医師です。以前は、東京はすでに感染爆発が起きているという主張をしていました。また最近は、PCR検査を全国民に受けさせる運動を行っていますが、そのような政策の実効性には大いに疑問があります。

Q14. ここで書かれていることは、NHKを含めてテレビで主張されていることとずいぶん異なりますが、テレビはデマを流しているのでしょうか?

A14. テレビ局の番組制作者のKPIKey Performance Indicator)は視聴率です。KPIを上げるには、必ずしも真実を報道する必要はありません。特に、コロナ騒動のように自粛を促されて家に居るようになると、必然的に視聴率は上がります。

また、BCG仮説のように主にネットで広がった言説に対して、視聴者獲得上ライバル関係にあるTV局が否定的な報道姿勢をとることは、この問題に限らず良くあることです。

コロナへの対処方法は、国民生活に甚大な影響を与えます。ひとりひとりがメディアの一面的な報道に惑わされず、冷静な判断をされることを願っています。

佐藤 正和 マーズ・システムサイエンス&テクノロジーズ合同会社 代表
1959年生まれ。東京都在住。2019年まで、技術系社員として日本アイ・ビー・エムに所属。現在上記の会社を立ち上げ、ITコンサルタントとして活動中。工学博士。

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