市議会議員に現金を配る衆議院選挙の候補者がまだいたとは

自民党はもう少し選挙違反に厳しい政党だと思っていたが、先の衆議院選挙で地元の市会議員に現金を配って歩いていた候補者がいた、というニュースを見て、思わず口をあんぐり開けてしまった。

現金買収などもはや誰もしなくなっているはずだと思っていたが、どうもこの候補者が住んでいる地域の常識は他の地域とは異なるようだ。

報道によると市議会議員に対する現金の提供は、白昼堂々と行われていたようである。
候補者本人には何の罪の意識もなかった、ということだろう。

選挙は、選挙法を忘れるくらいでないと選挙にならない、と言われる時代がかつてあったような記憶だが、それにしても地元の市会議員に選挙の直前に現金を配るような候補者が現在でもいた、というのは驚きである。

受領した後で突き返した人もいたようだが、その人には改めて自宅を訪問して候補者の細君に現金を渡したという報道もある。こんな端金で俺は買収なんかされないぞ、と受領した相手から言われている、とでも錯覚したのだろうか。

それにしても酷いものだ。

選挙でお世話になるのだから、市会議員の皆さんに実費程度のお支払いをするのは当然じゃないか、とでも思っていたのだろうか。もし、これがその地域の長年の慣例だとしたら、その地域の人たちの感覚が麻痺している。

金権選挙そのものである。

よく、今まで警察が黙っていたものだ。

自民党の自浄能力が問われている。

「違うだろー」以上に間違えている。

単に説明すれば済むような、単純な話ではない。
二階さん、お分かりかな。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。