去年の6月に東京五輪・パラリンピック組織委員会街づくり・持続可能性委員長の小宮山宏先生が以下のような提言をなされました。
1964年の東京五輪では多くの国民が高揚感を共有し、新幹線や高速道路などがレガシーとして残った。2020年は何をレガシーとできるのだろうか。エンブレムや競技施設を巡る混乱で、レガシーなど無理ではないかと多くの人が思っているようだ。
しかし、「課題先進国」として日本は人類が希求する社会をこう考える、ということを世界に示す機会にできるはずだ。レガシーは、資源・エネルギー・環境・自然、すなわち地球と社会と人間が持続する姿である。
エネルギーは省エネ・再生エネ技術を駆使した建物や設備を作る。大会で消費するエネルギーは福島と東北の太陽光や風力で賄い、その状況を選手村や競技場のモニターに映せば、震災からの復興に注目する世界へのアピールにもなる。低炭素社会の具体像を世界に示すことになる。
都市鉱山、エネルギー、自然共生、参加型社会。これらを総体として実現することはロンドンもリオもできなかった。日本がそれを先導する姿を世界に発信する。持続性社会をレガシーとすべきだ。
私も全くその通りだと思います。2009年より家庭の屋根に取り付けられる太陽光発電に固定価格買い取り制度という補助制度が導入されました。今、福島や東北、それに全国の多くの家庭で太陽光発電がなされています。読者のみなさまも実際にご自宅に太陽光発電設備を設置されている方が多いでしょう。この電気を、2020年の東京オリンピックの各種協議や運営を使わせていただけないでしょうか。
発電する家庭にとっては、自分が作った電気がオリンピックに使われたら嬉しいでしょうし、自分の名前が選手村や競技場のモニターに移されれば、誇らしいでしょう。誰でも簡単にできるオリンピックならではの貢献です。別に大規模な水力発電所やメガソーラーを使うことをダメだとは思いませんが、個人とオリンピックがリアルにつながるユーザー体験は格別なものがあります。
オリンピック期間の2週間なら無料とは言わないまでも、「私の電気を使ってオリンピックに貢献させてよ」という善意の人たちは多いのだと私は考えるのです。なんなら、そういう人たちを支えるためのクラウンファンディングを行なってもいいじゃないですか。
でも、話はそんなに簡単ではないのです。実際に競技場に電気を供給するのは大手の電力小売り会社さんが担い、極めてビジネスライクに行われます。そんな会社さんが、全国の100万件単位の発電家庭(プロシューマー)と言われる人々に働きかけ、契約を結ぶなんていう手間はめんどくさくて割りに合わないからしないでしょう。
そこで、常日頃「もっと光を」と偉そうにアゴラで提言している私は立ち上がることを決意しました。有言実行です。私費を投じて(といってもわずかしか出せませんが(笑)NPO団体を設立して、太陽光発電設備を所有されているご家庭に働きかけたり、それを送るためのシステムを作ったりという、いろいろな裏方仕事に取り掛かることにしましたをやることにしました。題して「東京2020ソーラーチャレンジ」。まだあと2年あるので間に合うと思います。
皆さん手伝ってくれませんか?特に「うちにある太陽光発電所を使っていいよ」とおっしゃるご家庭の方や企業の方、rtf.secアットgmail.com 酒井直樹(私の実名です)宛にに連絡いただけませんでしょうか。お手間はとらせんません。面倒臭いことは我々ボランティアがやります。オリンピック当日には、できれば100万軒くらいの心ある方々を集めたいと思っていますが、まずは限定10軒程度のご家庭の発電を測定させていただきたいと思います。具体的には、当方の持ち出しで、ご家庭にメーターをつけてインターネットで飛ばしてデータを集めます。お手間を取らせません。賛同者から集めた薄謝を進呈します。オリンピックで皆さんの名前を刻みます。切に切にご連絡をお待ちしています。
小宮山先生のお言葉通り、「エネルギー、自然共生、参加型社会。これらを総体として実現することはロンドンもリオもできなかった。日本がそれを先導する姿を世界に発信する。持続性社会をレガシーとすべき。」です!
このソーラーチャレンジ東京2020の進捗状況はアゴラでご報告いたします。ご賛同された方の実名も(もしご了解いただけるのなら)掲載させていただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。
酒井直樹 ペンネーム Nick Sakai
連絡先 rtf.secアットgmail.com