こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は2018年初となる(!)議会公務、オリパラ特別委員会の質疑が行われました。
新年会などに配慮して1月は議会公務がほとんど入らないようにされるわけですが、これって本当に報酬泥棒だよなあ…という議論はさておき。
昨日の質疑対象は、先月末に発表された五輪の「バージョン2(V2)予算」についてです。
1ヶ月も経つと世間の印象も薄れてくるので、もう少し当意即妙に議論をしたいですよねえ…という問題はさておき。
各委員から予算削減の妥当性や、どこまでを五輪予算とするのかの住み分けなどについて質疑が行われましたが、私が主に取り上げたのは五輪組織委員会との情報共有体制についてです。
というのも、このV2予算策定にあたって、予算縮減のために五輪組織委とIOCで「プロジェクトレビュー」という事務折衝が行われていまして、ここで25のコスト削減項目が提示されました。
ところがこの25のコスト削減項目に、事前に東京都と情報共有されていないものがあったのですね。
いくら事務折衝とはいえ、開催都市としてIOCに提示される正式な項目については、主催都市が事前に把握できていないのはさすがにまずいのではないでしょうか。
本件の質疑調整には紆余曲折があり深夜、そして当日午前に及んだものの(働き方改革…!)、都としての正式答弁は
「この25項目は、都が関わるものや組織委員会が主体となるものがあり、都にとって重要な項目については承知していたものである」
ということで、裏を返すと「都にとって重要でない項目については知らなかった」ということであります。
起きてしまったことはもう仕方ないとして、これで良しとしているならば、情報共有・意思決定プロセスに対する都の意識の低さは大きな問題ではないでしょうか。
残念ながら答弁の中では、都と組織委員会の役割分担が強調され、課題意識は感じられませんでした。
これまで何度も取り上げている通り、組織委員会が財源不足に陥れば、それを補填するのは主催都市である東京都と定められています。
ならば予算やコスト削減において、「都が関わらない・重要でない項目」などは存在しないわけです。
そもそもその重要度は、誰がどう判断するのでしょうか?五輪組織委が重要だと思ったら報告してくれるのでしょうか?
具体的には今回、オリンピックファミリーホテル運営費などについて事前の共有がなかったようですけど、議論の参加は役割分担として組織委に任せるとして、やはりIOCに提示される前に情報共有はなされるべきだったと強く思います。
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今回の質疑では、こうした点について指摘を重ねさせていただきました。
情報共有の組織体として「共同実施事業管理委員会」が立ち上げられているわけですけど、この組織体だけで組織委の予算執行をグリップできるのかについては、他の委員からも疑問と指摘がなされたところです。
削減が計画通りに行われ、また予算の膨張につながることがないよう、引き続き注視をして参ります。
また順次ご報告していきますね。それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年1月31日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。