杉並区(東京都)と南伊豆町(静岡県)。遠く離れた自治体同士が連携した全国初の特別養護老人ホーム「エクレシア南伊豆」が3月5日(月)オープンしました。
約1,000人の特養入居待機者がいる杉並区は、2021年度までに1000床分の整備を計画。エクレシア南伊豆には、50床程度の区民の利用を見込んでいます。
特別に、オープン前に見学させてもらいました。
庭には、河津桜の木々が。クラウドファンディングで広く寄付を募りました。
屋内の縁側。日光を浴びながら、窓から河津桜を眺めることができます。
廊下や部屋が広いのが特長。ゆっくりとした時間を過ごすことができます。用地費が高い杉並区内で特養を開設した場合と比べて、約1/3の費用で開設することができました。
離れて暮らす家族とはテレビ電話で会話もできますが、遠方の家族が泊る部屋も用意。
1階には地域との交流スペースも設置。とても明るく開放的です。
一部には、遠く離れていることをもって姥捨て山と批判する人もいますが、
1)そもそも、日本の医療や介護は、(地域のゲートキーパーで受診しなければならないイギリスなどと違って)全国どこでもアクセス可能な制度であり、現在でも、杉並区の住民が多摩地方などの特養に入ることは珍しくないこと(ただし、75歳以上の後期高齢者の医療費等は、入居前の居住自治体(今回は杉並区)が負担するので、町の負担が増えることはありません。)
2)高齢者が急増する杉並区では、特養の整備が急務なこと
3)杉並区と南伊豆町は長年交流を続けており、また、杉並区民の中には伊豆出身者も一定数存在しており、老後を伊豆で暮らしたいというニーズがあること
4)介護する家族が伊豆や静岡県で働いていたり、定年後は伊豆で過ごしたい人もいること
などから、姥捨て山議論は、代替案なきタメにする議論に思えてなりません。多様な選択肢を提供することが大切ではないでしょうか。
エクレシア南伊豆のホームページは、こちら。
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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年3月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。