情報源を明かさないで真実の解明に寄与した朝日新聞の周到さに感嘆

まだ幕が開いたばかりなので、しばらくは今後の展開を見守っていた方がよさそうだが、今の段階で確実に言えることが一つある。

朝日新聞は実によくやった、ということである。

社運を掛けてのトップ記事だったろうと思う。
おそらく複数のところから情報が入っていたのだろうが、現物を示すわけにはいかない、というギリギリの状況の中で、朝日新聞の上層部の人が思い切って報道することにした、ということだろうと思う。

いくら情報源を明かせ、と責められても絶対に情報源は明かさない、と覚悟して書いた記事だったろうと思う。
現物の写真は掲載しないで、ただ「確認した」とだけ書く不思議な記事だった。
案の定大騒ぎになり、朝日新聞に挙証責任がある、などと、如何にも朝日新聞を悪者扱いにするような論調が少しづつ優勢になりつつあったのだが、朝日新聞は些かもたじろがなかった。

ジャーナリスト魂を見せてもらったような感じがしている。

あれで朝日新聞が潰れたら、真実を報道しようとする新聞社は皆、恐れをなしてしまい、日本のジャーナリズムが死んでしまうところだった。

うっかりすると、この問題は闇から闇に葬り去られてしまうような問題だったかも知れない。
朝日新聞のお蔭で、私たちは本当のことを知ることが出来た。

臭い物に蓋をするようなことは、絶対にすべきでない。

朝日新聞、よくやった、ととりあえず申し上げておく。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年3月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。