アフリカを歴訪していたティラーソン国務長官に、トランプ大統領がツイッターで事実上の「You’re fired」を通告しました。
ティラーソン氏にとっては、寝耳に水。ツイッターで自身の解雇を知らされたのだとか。
(出所:Twitter via Donald J. Trump)
ティラーソン国務長官と言えば、トランプ大統領との確執が取り沙汰され、辞任する閣僚候補の筆頭でした。直近では2017年11月頃に、辞任の噂が流れていましたよね。金正恩委員長の申し出を受け、5月までに米朝首脳会談に応じたトランプ大統領が国務長官の頭越しに決断したことは言外ににじみ出ていたものですが・・。まさかティラーソン氏がアフリカ歴訪を1日切り上げて帰国してまもなく、解任を発表するとは思いませんでした。ティラーソン氏が解雇の前日、米朝首脳会談の予定は未定と言及していただけに、トランプ大統領の堪忍袋の緒が切れてしまったのでしょうか。
体調を崩しナイジェリア訪問の予定を切り上げ1日早く帰国したティラーソン氏は、解任のリスクを察知していた?
(出所:U.S. Department of State/Flickr)
ここで気になるのが、Suicide Squadの存在です。ティラーソン氏が提唱しムニューシン財務長官、マティス国防長官が参加したとされていますが、両者はどのような決断を下すのでしょうか。
いずれにしても、今年に入ってコーンNEC委員長が退任し、ティラーソン氏まで解任され、政権からグローバリストが減少しつつある印象は拭えません。一方でポンペオ氏と言えば、対中強硬派でゴリゴリの保守派である点もポイントです。ニューヨークの市場関係者は、13日に米株が買い先行後に下落に転じた背景につき「ポンペオ氏の国務長官就任は事実上、中国を経済上の敵とするメッセージを送ったも同然で、貿易戦争への懸念を再燃させた」と分析。ポンペオ氏は北朝鮮の核開発の脅威を指摘し、イラン核合意に反対する人物で、外交上のリスク台頭を予感させます。
実はもう1人、本日付けで解雇された人物が存在します。トランプ大統領のパーソナル・アシスタントで、2016年の大統領選では選対本部で勝利を支えたジョン・マクエンティー氏です。同氏はホワイトハウスの去り際、護衛がついていたというから穏やかではありません。ただ同氏、ホワイトハウスを出て2020年の選対本部に異動したと報じられています。人手不足なだけに、ホワイトハウスを解雇させても選対本部では必要ということなのでしょうか。
(カバー写真:U.S. Department of State/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年3月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。