国語ではなく、算数で考える

私のような大学も出ていない年をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ人生と世界は単純になっていく。だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい

出口治明さんの『人生を面白くする本物の教養』は、シャネルの創業者、ココ・シャネルのこの名言から始まります。

自分の頭で考えられることが教養」という出口さん。
考え方のコツについてもこの本は教えてくれます。

国語ではなく、算数で考える。
定性的な発想だけではなく、定量的に考えるということ。

例えば、政府の無駄をなくせば、消費税を増税しなくてもいい
という主張に対して、

政府の一般会計歳出は、約96兆円。
それに対して税収は約55兆円。

社会保障や公共事業などの歳出の無駄をどれだけ一生懸命削っても、約7兆円程度にとどまり、「数字・ファクト・ロジック」で考えれば、非現実的だと反論します。

「タテ」(時間軸)と「ヨコ」(空間軸)で考える
例えば、夫婦別姓について、中世日本は別姓が当たり前であったこと、そして、世界の中でもほとんどの国が別姓を認めていることから、今の日本の異常性を指摘します。

ロジカルで分かりやすいですし、神社や芸術、旅など幅広い分野について書かれていて面白い本でした。

もう少し知りたい!
混ぜる自治体で読む『混ぜる教育』(崎谷実穂、柳瀬博一 (著))

<井上貴至 プロフィール>

<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち
学生・卒業生への熱いメッセージです!

<井上貴至の提言>
間抜けな行政に、旬の秋刀魚を!


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年6月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。