丁寧に生きる --- 岩瀬 大輔

最近、仕事もプライベートも「丁寧に生きる」ということを心がけています。

たとえば。

メイル一本一本を丁寧に書く、相手が親しい人ほど。チャットのような殴り書きのメッセージ、定型文のような形式的なメイルは避け、短くても良いので相手にハガキや手紙を出すつもりで、心を込めた文章を書くようにする。お礼をするときはメイルだけでなく、電話を一本入れる。留守であれば、ひとことでいいのでメッセージを残すようにする。

スケジュールを詰め込みすぎず、ひと呼吸おける余裕を意識的に作るようにする。時間に余裕をもって出かけ、地下鉄で徒歩で、自分の足を使って街を歩く。ゆっくり歩く。ときおり立ち止まって、深く呼吸をする。アポイントメントにはいつもより少し早めに到着するようにする。

道に迷っている人、困っている人がいたら、こちらから積極的に声をかけてみる。落ちているゴミを拾う。前の人が残した汚れを拭う。店員さんの目をみて話す。できれば、名前で呼びかける。「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」を怠らない。

ルーティンとなっている仕事もフレッシュな視点で見つめ直す。手元にある企画書、契約書、稟議書。相手に届けるお手紙のようなつもりで、一字一句、丁寧に読み込んでみる。サインは自分なりにきれいな字で書き、ハンコも真心こめてひとつひとつ押す。人の話は丁寧に聞く。話すときはよく考えて選ばれた言葉で、ゆっくり話す。

ひとつひとつ、丁寧に生きることで、いい仕事ができ、日々の生活も豊かになり、良い運気が巡ってくるような気がするのです。

読み返してみると当たり前のことなのですが、もともと大雑把な性格で横着しがちな私にとっては簡単ではなく、そして大切なことなので、書きとめてみました。

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昨日朝、通勤途中の駅構内でカフェラテをすすりながら独り言のように書いたエントリーが思いがけずFacebook で「いいね!」が1000以上ついたため、加筆修正してブログに投稿しました。

読み返しながら、元ネタはサイバーエージェント藤田社長の言葉だということに気がつきました。曰く、経営をしていれば当然、うまくいくときも、いかないときもある。大切なのはうまくいかないときにじっと我慢すること、但し手を抜かず、丁寧に、丁寧に仕事をすること。正しい方向に努力して、丁寧に仕事をしていれば、必ずまた運気は巡ってくる、という内容でした。


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2015年7月18日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。