今週はロスジェネ関連の話がいっぱい。まず、『SPA!』のロスジェネ特集で赤木智弘さんと対談。ロスジェネについて。よくこの話題では自己責任論が跋扈するが、世の中の環境の変化はなぜ起こったのか、これに政治家も経営者も気づいていたのかなどの論点があり。大御所ビジネス雑誌の記者からは『SPA!』なのに超硬派で面白かったと評判。ロスジェネ世代の論者勢揃いの特集でもあるので、ぜひご覧頂きたい。
個人的には、藤田孝典さんが提唱していた「授援力」という言葉が気になった。そう、困っていたら、もっと人に頼ったらいい。プライドがそれを邪魔するのだけど。今後、どの世代にも必要な力だろう、これは。
そして…。今週は、元横浜副市長で、甲南大学教授の前田正子先生の新作『無子高齢化 出生数ゼロの恐怖』(岩波書店)がリリースされたのだが、その巻末で、前田先生と私がロスジェネについて対談しているので、ぜひご覧頂きたい。
ロスジェネ代表として、そして雇用・労働に関する問題と向き合う者として、大放談。「少子化」や「高齢化社会」の危機が語られ、様々な対策が打たれてきたが、これは処置であって対策ではない。所詮、付け焼き刃だ。
いま、日本の問題の一つは、根本的に、ロスジェネ世代が不安定であることだ。最後のマスである彼ら彼女たちの支援をしなければ、日本に未来はないのではないか、と。
この本自体が、その根本的な問題に踏み込んでいる。自己責任で片付けずに、私たちはどこで間違ったのかを考えよう。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年11月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。