6月18日の夜、新潟県村上市、山形県鶴岡市の震度6強を初めとして、東北地方を中心に地震が発生しました。
18日の夜10時半頃、私はテレビを見ながら遅い夕食をとっていたん中、NHKで突如、緊急地震速報が流れ、アナウンサーが地震への警戒を緊迫した様子で「東北の各地に強い地震が来ると繰り返し呼び掛けていました。
それを聞いた私は正直、「さて?いつ来るのかな?本当かな?」と半信半疑でした。
それからどれくらいの時間が経ったでしょうか。私がいた横浜市内のビルでも、ミシミシと音がし始めて、壁にかかっている額縁などが揺れ始めました。そしてテレビのチャンネル変えてみたところ、民放各局は通常番組を放送していました。やがて津波注意報が発令されてからは、NHKも民放も「高台に逃げること」「海に近づかないように」としきりに呼びかけ始めました。
その後10センチ程度の津波が来ましたけれども、不幸中の幸いで建物の下敷きになったり津波にのみ込まれて、人命が奪われる事態にはなりませんでした。一方で、一夜明けて、家屋等の応急危険度判定が行われ、「危険」と張り出された家などもありました。
応急危険度判定で危険判定が出ると、家に立ち入るには、専門家に相談した上で、応急処置を施してから立ち入る必要があります。またそうした危険性がなくても、瓦が落ちるなどの被害で、折しも雨が家の中に入って、事実上住むことができない人も出ています。
被災された皆さんには、これからどうすればいいのだろうというような大きな被害になっているわけで、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
やはりこうしたことは、教訓にしていきたいと常々思います。今回、津波注意報が発令された新潟、山形、石川、能登では1万人以上の人が避難をしました。津波の恐れがある場合は、とにかく早く避難するべきですね。
東日本大震災のときに有名になった東北地方の方言「津波てんでんこ」があります。「津波てんでんこ」とは、各自がバラバラで、とにかく早く避難するという意味でした。
昨年7月の西日本豪雨の水害では大きな被害が出ました。あのとき、避難勧告が出ているにもかかわらず、「うちは大丈夫だろう」「来ないだろう」と思い避難しなかった人が多数取り残されました。
そうなると、当事者が命の危険にさらされるだけでなく、助けに行こうとした近隣の人や消防、警察、自衛隊の方々にまで二次災害に巻き込まれるというケースも出てくるわけです。
今回、日本の地震予知の精度の高さ、速報性などについて我々は信頼を深めたと思います。今後、こうした場合に、「また地震か?」って思うのではなく、逃げ道の確認などを急ぎたいと思います。
今朝までに余震と思われるものが30回以上発生しています。東北町の方々にも引き続きご注意をいただきたいと思います。
全国どこに住んでいての地震などの警報や注意報が出た時は、空振りに終わっても、訓練のつもりで行動をしたいと思います。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年6月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。