復興に向けて「人手・ボランティア」が必要なのは、むしろこれから

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

昨日は先の台風の被災地である千葉県富津市に入らせていただきました。

まずは障がい者自立支援に取り組むオーキッドガーデン「AlonAlon」へ。

穴の空いたビニールハウスや、ダメになってしまったオーキッドの苗など痛ましい光景が沢山…。

建物や設備は保険が効くものの、商品(オーキッド)自体は保険対象外のため、5000あったオーキッドの苗はほぼゼロからリスタートとのことです。

「物理的なダメージもさることながら、電源が長期に渡って完全喪失したことが致命的だった

と語る理事長の那部さん。オーキッドは温度管理が重要であり、ハウスの中をすべて最新の電気制御システムにしていたことが仇になってしまったそうです。

今後はソーラーパネルを設置するなど、自前の電源設備の設置などにも取り組むとのこと。

AlonAlonは障がい者の所得を増やし、自立を促すための「バタフライサポーター」を募集しています。

ご関心のある方は、ぜひサポーターの一人となってご支援をご検討ください。1万円で、半年後に立派な胡蝶蘭が届きますよ!

バタフライサポーター募集中!

そして午後は、地元の千倉淳子市議・猪瀬浩市議の案内で富津市内へ。

ボランティアセンターで物資を受け取り、市街から離れた奥まった集落にお届けしながら、被災状況を確認させていただきました。

文字通り根こそぎ倒された大木が随所に見られるなど、台風の大きさを物語る光景が随所に見られます。

富津市内は天羽地区などを中心に被害が大きく広がり、停電は概ね先週末に解消されたものの、今日回ったエリアでも「電話とインターネットはまだつながっていない」という家が多数ありました。

道路が深くえぐれ、仮復旧中で住民の方々が不安を抱えている箇所や、

鹿原の林道の一つは、いまだに倒木で通行止め状態が続いています。

近くで農家を営む男性は「自衛隊の方も手が空いたら、ぜひ次はこの道をなんとか通して欲しい」と切実に語っておられました。

屋根が大きく捲れ上がった、金谷のフィッシュセンター。営業再開にはまだまだ時間を要するだろうとのことです。

とにかく行く先々で共通して聞かれた声としては、やはり「行政の対応が後手に回っていたのではないか」というもの。

実際、被災した関係者に頼まれて防衛省に確認したところ、千葉県から自衛隊に対して行われた要請とタイミング・内容は以下の通りでした。

第1回 9/10のAM4時:航空自衛隊中部航空方面隊司令官へ(給水要請)
第2回 9/10のAM4時半: 陸上自衛隊第1空挺団長へ(給水要請)
第3回 9/11の AM6時:陸上自衛隊第1空挺団長へ(倒木の除去)
第4回 9/11の PM3時:海上自衛隊第21航空群司令へ(入浴支援)
第5回 9/12 PM8時: 陸上自衛隊第1空挺団長へ(入浴支援)
第6回 9/13 PM2時: 海上自衛隊横須賀地方総監へ(給水支援)

千葉県が保持していた非常用発電機の半数以上が「要請がなかった」という理由で使用されたなかった件なども含めて、行政の初動対応が適切だったのか否かについては、再発防止のためにもしっかりと検証していかなければならないと、改めて強く感じたところです。

【ボランティアが必要なのは、まだまだこれから!】

そして被害の大きさはさることながら、ボランティアセンターの方々や復興支援団体の方々が口々に切実に訴えていたのは

「今後、さらなる支援や人手が必要になる」
「報道の減少とともに、ボランティア応募が減っている」

ということです。電力が復旧したというニュースが流れると、これで一段落という雰囲気がどうしても漂ってしまいますが、復興のために単純なマンパワーが必要になるのはむしろこれからです。

SNS上では、Yoshikiさんが千葉県内でボランティアしたことも話題になっています。

富津市では県外ボランティアの募集もスタートしています。まだしばらくはボランティア募集を継続する見込みとのこと。

今はボランティア保険もネットで受付できるようになりましたし、高速道路なども被災地ボランティアは無料で利用できます。

平日・週末問わず、お時間がある方はぜひ参加をご検討下さい。


富津市災害ボランティアセンター

千葉県・ボランティア関連情報

また政治・行政サイドとしても、激甚災害指定によって補償がどう変わるのか・罹災をどこまでの範囲とするのか・いかにスムーズに復興に寄与できるかなど、課題が山積みになっています。

こちらについては聞き取った内容・要望をしっかりと関係機関に伝えながら、私もできることに尽力していきたいと思います。

それにしても今回の訪問では、被災地の議員たちの活動に非常に感銘を受けました

千倉市議と猪瀬市議は地図と書類を片手に一軒一軒、山奥の集落まで高齢者の家をまわり、

「何かお困りのことはないですか?」
「先週来たときは電話が通じないとおっしゃってましたが、その後はどうですか?」
「罹災証明は出されましたか?書き方など、わからないことはないですか?」

と聞き取り、対応できることはその場で対応し、要望についてはボランティアセンターや行政にお伝えしていました。

また高木市議は、混乱しがちなボランティアセンター運営の最前線に立って汗を流しています。

行政の手が届きづらい範囲を周り、スタンドアローン(自立)の活動で支援や情報を届ける。

まさに地に足のついた議員にしかできない活動だなと感じた次第です(お名前をあげた以外の市議の方々も、それぞれが地域で尽力されているのだと思います)。

私は昨日は運転と物資運搬のお手伝いくらいしかできませんでしたが、国政の立場からできることに邁進し、またボランティアの一員としてもまた現地を訪れて戦力になりたいと思います。

改めて、今回の災害で被災されたすべての皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、「おとき田米」の収穫でもお世話になった富津地域を含め、一刻も早い復興を祈願し、活動して参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年9月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。