アゴラさんにも掲載して頂きましたが、私たちはChange.orgで「NHKは大河ドラマ「麒麟がくる」沢尻エリカさん収録分を 予定通り放映してください!」というキャンペーンをはり、署名をお願いしてまいりました。
NHKは大河ドラマ「麒麟がくる」沢尻エリカさん収録分を 予定通り放映してください!
が、願いは聞き入れられず、NHKは代役をたて、初回からとり直しをされるとのことです。
もちろん代役となった川口春奈さんもお美しく、人気のある女優さんで、きっと素晴らしい演技を見せて下さると思いますが、これで沢尻さんの濃姫は完全にお蔵入りが決定したわけで、残念でなりません。
署名サイトにも書きましたが、NHKには今後是非薬物事犯に対し、損害や被害をわざわざ多く作りだし、大騒ぎになるような決定をしないで頂きたいと願う次第です。
NHKは、先日現在放映中の大河ドラマ「いだてん」では、7年間にわたる所得隠しと申告漏れが指摘された徳井さんの出演回に対しては番組冒頭で「編集などでできるだけ配慮をして放送いたします」とするテロップだけの映像流し放映に踏み切りましたが、今回の沢尻さんに関しては、同じ対応ができなかったのでしょうか?
ただ今回のチェンジオルグへのチャレンジでは、これまでにない経験と学びを得ることができました。
まず、キャンペーンをたちあげて、最初の1000人を超えたあたりまでは、それほど手ごたえもなく、「あぁやはり、薬物問題や依存症については賛同者が集まらないのかな・・・」と落ち込みました。
これまで何度か依存症界でも署名活動をやったことがありますが依存症問題は本当に署名は集まりません。
カジノ旋風が吹き荒れた時でさえ「ギャンブル依存症対策推進を!」という署名活動を展開しても、わずか1万5000人しか集まらなかったくらいです。
もちろんあの頃は今よりもさらに私たちに力がなかったのと、ネットではなくリアルに署名を集めていたということもありますが、それにしても世間は依存症に対し無関心なので、今回もやはりダメかな・・・と思いました。
ところが翌日、5000人を超えたあたりからじわじわと賛同者が増え始め、夕方には1万人を突破し、そこから2日間で一気に加速し、3万人以上の方にご賛同頂けたのです。
わずか3日で、3万人以上の署名を集めたことなど我々皆無です。
時代は変わった!と、実感することができました。
さらに、著名人の方々がご賛同して下さったことも嬉しいことでした。
最初に、趣旨に賛同して下さったのは映画監督の白石和彌さん。
そして女優の東ちずるさんや、脳科学者の茂木健一郎先生、産婦人科医の宋美玄先生なども、TwitterなどのSNSで応援して下さいました。
これももちろん今までなかったことで、大変有難く心強く思いました。
Twitterの反応でも、賛同の意をツイートして下さった方々が大勢おられました。
賛同者ご意見をみてみると、「作品と犯罪は別」というものが最も多かったと思いますが、中には「依存症の人の回復が大切」といった書き込みもあり、こういう一般の方々からの励ましは、実に嬉しかったですね。
また、いやがらせの電話やメールが全くなかったことにも驚きました。
これまで、こういった薬物問題に対する要望書などを出すと、メールや電話に罵詈雑言が届き、我々の通常業務に支障をきたしていました。
中には、いきなり怒鳴り散らしてくる人もいたりして、あまりにひどい時は警察に訴えたこともあります。
しかし、今回はこういった、いやがらせが全くありませんでした。
これまで、地道に活動を続けてきて、「報われないなぁ・・・」と思うことばかりでしたが、今回の署名活動では、確実に応援団が増えていることを実感しました。
やがてもうすぐ薬物問題はスキャンダラスに取り上げられるのではなく、「病気」として捉え「治療に繋ぐ」というこがスムーズにできる時代がくるでしょう。
そこに向かって、やり続けていくのみです。
今回の署名にご協力頂いた皆さま、本当に有難うございました。
今回NHKの決定が代役、お蔵入りで決まってしまいましたが、何らかの形で、NHKには要望を入れる予定です。
引き続き応援のほど宜しくお願い致します。
田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト