いよいよ「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」が昨日20日から公開となりましたが、19日の夕方行われた前夜祭から、スターウォーズファンは大盛り上がり!
東京タワー他はスターウォーズカラーにライトアップされたとのこと、まさにお祭り騒ぎですよね〜。
かくいう私も、スターウォーズの大大大大大ファンの一人。
前夜祭のプレミア上映のチケットは手に入らなかったもの、日付が変わった20日夜中、午前0時30分から上映された、初日初回を夫と一緒に観に行ってきました〜!
もうね~、会場の中はコスプレーヤーで大賑わい!
私なんかワクワクして写真撮ってくださ~いなんてお願いしまくり!
みんな普通にライトセーバー持ってきていて、私も欲しくなっちゃいました。
夫にクリスマスに買って貰おうかなぁ~。
さて、なぜ私がこれほどスターウォーズを愛してやまないのか?
それはもうこの映画の世界観が、依存症の回復プログラム「12ステップ」そのものだからです。
「12ステップ」というのは世界では有名ですが、日本では知られていない、世界120カ国以上の自助グループで使われている、様々な依存症者とその家族が回復するために使われているプログラムです。
これは医療が依存行為を「止める」というところに目標をおいているのに対し、自助グループは「止まるのは始まりにすぎず、回復とは生き方を変えていくこと」と、回復後の人生そのものに向き合い、そして成長と共に変化し続けることを目標においているんですね。
この「12ステップ」というのは、120か国以上で実績をあげただけあって、そりゃあ効き目があります。
私自身もこの12ステップをつかめたお陰で回復できたんですね。
では、この12ステップというのはどのようなメソッドなのか?
スターウォーズには「フォースと共に(May The Force Be With You)」という決めゼリフがあって、このフォースが鍵なんですね。
フォースとはスターウォーズでは宇宙のバランスを保つ、目には見えない偉大な力で、このフォースの力が強い人たちが「ジェダイ騎士団」と呼ばれ、さらにすごい使い手が「ジェダイマスター」となるんですね。
この「フォース」ですが、「ある」と信じて穏やかで冷静、善の心で力を使えば善の結果に、恐れや憎しみといった、悪の心で使えば暗黒面が支配する結果になるんですね。
で、銀河の中でず~っとこのジェダイの軍団と、暗黒面の軍団の戦いが繰り広げれている・・・という物語がスターウォーズなんです。
だからジェダイ達は自分が暗黒面に引きずりこまれないよう、常に平静さを失わず、フォースのパワーをただ信じ、より強い力を扱えるよう訓練していくんですね。
実は、我々依存症者とその家族もこれと全く同じことを鍛錬していくんです。
私たちの場合はこの力を、フォースではなく「ハイヤーパワー」と呼びます。
そして物事は全てハイヤーパワーが善い方に導いてくれていると信じて、あるがままに受け止めていくこと、自分の思い通りの結果にしようとあがかないこと、自分で自分を嫌いになるような暗黒面の言動をしないこと、そして仲間を増やしていくこと、ハイヤーパワーを信じどんな困難にある人も助け続けていくこと。
12ステップを順番にやっていくと、こういうことがわかってくるんです。
だから依存症からの回復者って、つまりはジェダイなんですよね。
実際、依存症者の家庭なんて、ず〜っとピンチの連続なわけですよ。
回復したと思えばすぐに再発したり、お金など様々な問題で家庭がしっちゃかめっちゃかになっているのを、少しずつ修正していったり、そんな時にですよ「なんで、あの人はいつもこうなの!」なんて、常に相手の言動ばかり気になって批判していたり、「あんなことしなければよかった」という後悔や「これから先どうなるんだろう」といった不安、こういった負の感情で頭の中がいっぱいになってしまうと、そこから逃れるために、また依存行為に戻っちゃう、ダークサイドに落ちちゃうわけです。
だから「ハイヤパワーが必ず守ってくれる。導いてくれる。」と信じられるようになると、
すごく気楽になれるし、自分を追い込まずにすむし、勇気が出るんですね。
で、この度の「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」ですが、最も偉大なフォースの使い手である、スカイウォーカー家のお話しの最終回とあって、これまでのオールスターそろい踏み!で、もうめっちゃ泣けちゃうんです。
今日はやはりスターウォーズ大ファンの高校生の息子も観てきて「泣いたわ〜」と言っていました。
誰でも、恐れや不安そして憎しみといった暗黒面の方に落ちやすいわけで、これまでずっと悪の枢機卿が優勢だった銀河なんですが、いよいよジェダイが・・・!
と、ネタバレになるので詳しくは話せませんが、感動間違いなしなので是非ご覧下さいね。
依存症問題に通じる、名セリフも沢山飛び出してきますよ!
「本当の自分を恐れないで」
「やつらは孤立していると見せかけるのがうまい」
「準備ができた奴なんか一人もいない。絆で乗り越えたんだ!仲間がいる!」
そして何よりも、長年アルコールと薬物の依存で苦しみながらも、我らがレイア姫を40年にわたって演じ、2017年に60歳の若さで急逝したキャリーフィッシャーが、今回も過去の映像の未使用シーンを用いて登場したので、もう最初っから涙が止まりませんでした。
私たちの仲間であった、キャリーフィッシャー。
偉大なるプリンセス。
当初は心臓発作の急死と伝えられていましたが、半年後には大量のアルコール、コカイン、MDMAなどが検出されODだったことが発表されました。
恐らくこれだけの大きな仕事を成し遂げるには、私たちには計り知れない苦悩があったことでしょう。
繰り返す再発と闘いながらも、いつも心の内側は見せずに、私たちに夢と希望を与えて続けてくれました。
レイア姫よ永遠なれ!
そして我々回復者は誇り高きジェダイだ!と改めて思いました。
田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト