今週のメルマガ前半部の紹介です。
既にAIを用いたエントリーシート査定を導入しているソフトバンクが、採用面接にもAIを導入する方針だと報じられ話題となっています。
数年前からAIが質問し、回答を評価するようなサービスは存在しましたが、あくまでも参考資料として最終的な判断は人間が行うのが主流でした。合否も含めてAIに任せるというのは恐らく日本企業としては初ではないでしょうか。
日本企業と面接を考える良い機会なのでまとめておきましょう。
面接官の評価基準をそろえることは長年の課題だった
採用人数にもよりますが、新卒採用の一次面接や二次面接レベルでは、大企業なら多い日で10人以上の面接官が同時に面接に臨むことも珍しくありません。そんな時、どうやって面接官たちは評価の基準をすり合わせているんでしょうか。
・特にこれといって何もしていない
筆者の感覚でいうと、特に何もやっていないという会社の方が多いように見えますね。というと「そんなのでまともに評価なんてできるの?」と思う人もいるでしょうが、毎年決まった人間が面接をやっているとそんなに大きくはずれないもんですね。
あと、最終面接やその手前の面接官は、必ずその前段階の面接評価に目を通しながら面接しているので、評価の基準がずれていると感じれば「ねえあの評価おかしくない?」みたいに後で指導するものです。そんな形でなんとなくバランスはとれている形ですね。
・事前に集まって確認作業くらいはする
もうちょっと人事が真面目な会社だと、面接前に面接官が集まって重点的にチェックする基準や質問の水準をそろえるよう調整します。面接慣れしていない人がいる場合は「聞いてはいけない質問」(政治とか家族とか)もここで確認しますね。
ただし、これでも基準がそろうかというと個人的にはあまり効果はない気がしますね。たとえば「リーダーシップがあるかどうかをチェックしよう」と足並みをそろえても、どういう体験、発言にそれを感じるのかは結局はその人次第なわけですから。
という具合に、実は「面接の評価の基準をどうやってそろえるのか」というのは、長らく人事部の懸案事項だったわけです。今回のAI面接導入により、その基準を組織にとって最も優れた基準で、完璧に統一する道が開けたわけです。これはなかなかインパクトのある変革だと思いますね。
以降、
人事部のジレンマ
AI面接の落としどころ
Q:「どこまで挽回できるものでしょうか?」
→A:「通常の社内政治の結果なら特に問題はないです」
Q:「副業は人事評価にどの程度影響しますか?」
→A:「プラスになることはあってもマイナスにはならんでしょう」
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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2020年6月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。