2018年の西日本豪雨災害で大きな被害をうけた愛媛県宇和島市のアドバイザーを続けており、復興支援を進めています。
コロナによって私も直接訪問することが難しくなり、2020年は遠隔からの支援を余儀なくされていました。コロナも少し落ち着きを見せつつあることもあり、宇和島市の岡原市長が、久しぶりに東京へ来訪。支援企業への挨拶回りに同行しました。復興を支える企業と、その取り組みについて紹介したいと思います。
フィリップ モリス ジャパンによる資金支援
フィリップモリスジャパン社は、西日本豪雨災害においても2,000万円の寄付を拠出しました。この資金を活用し、次のような取り組みを進めています。
・宇和島みかんのブランド化: 宇和島市は愛媛みかんの発祥の地。ブランド化が課題であり、愛媛みかんの中でも宇和島には優れた柑橘があることをインターネット上で発信。JAえひめ南と協働。
・新規就農者支援: 毎年数人の若い新規就農者が入ってきたが定着が課題。就農者、生産者、役所・農協などの横のネットワークを強化
・宇和島NPOセンターの立ち上げ支援: 被災者を息長く支え、また今後の防災等の取り組みを進める民間NPOの取り組みを支援
ヤフーによるネット支援
ヤフー社は、発災当初に協定を結び、次のような取り組みを進めてきました。いずれもインターネットを活用した有意義な取り組みです。
・エールマーケット: ヤフーは、被災地などの商品を応援してもらう特設サイトを運営。宇和島のみかんやジュースなどを取り扱ってもらった
・ヤフー基金: 宇和島の支援のための募金サイトをRCFが運営。全額、現地団体による被災者支援の取り組みに活用
・防災協定: ヤフー防災アプリを使い、災害発生時の情報提供を強化
ウィンウィンによる人材支援
各種人材支援を行うウィンウィン社からは、宇和島駐在のスタッフを一名派遣頂いています。一人目の亀山さん、二人目の橋本さんと、若くコミットメントの高い人材をフルタイムで出して頂けていて、あらゆる復興活動の現地コーディネイトを担当頂いています。総務省の「地域おこし企業人」制度を活用することで、国に派遣費用を出して頂いています。
RCFは岩手や福島に現地駐在を派遣していましたが、なかなかその後は現地派遣人員を確保することが困難となり、ウィンウィンのようなパートナー企業と連携して現地コーディネイター確保を行っています。
コロナ禍における復興状況
災害から二年が経過しました。土砂崩れ等によるハードの復旧は目処がつきつつあります。みかん産業も復興しつつありました。しかし今回のコロナによって、県外から労働力を集められなくなったり、また都市部の飲食市場が激減した影響で、国内最大の出荷をほこる鯛がダメージを受けています。
飲食に流せなかった分、少しでも異なる流通を、ということで「 #鯛を食べよう」というキャンペーンを続けています。
そうしたこともみのり、丁度先週からのファミリーマートでは宇和島の鯛をつかったおにぎりが販売されています。めちゃくちゃ美味しいですから、せび手にとって見て下さい。
相次ぐ災害やコロナによって日本全体が被災地のような状況になってしまいました。西日本豪雨災害のことも、記憶から薄れた方が少なくないと思います。
しかし、復興はこれから。宇和島も復興にむけて歩んでいることを、ぜひ知っていただければと思います。また、企業がこうした復興プロセスで大きな役割を果たしていることも知っていただければと思います。
RCFでは、その後も災害の発生のたびに、被災地支援を進めています。ご一緒できるパートナー企業は常に求めています。ご関心ある方はぜひご連絡下さい。
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2020年11月2日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。