ここ数年、働き方改革の影響で日本企業の職場環境はなんだかんだ言いつつも大きく改善していますね。
90年代なら月に一度くらいの徹夜は普通で、21時前に退社なんて月に数日くらいのものでしたが、最近は「20時以降の残業は原則禁止」みたいな会社はホント多いです。
特に流動性の高い(=さくっと転職しやすい)若手社員の取り扱いには各社とも神経質で、「1年目は原則残業はさせない」「仕事を振る場合はできるだけ午前中に、締め切りの余裕をもって伝える」みたいな細かいチェック項目出す会社もありますね。
ただ、人によってはそうした丁重さが物足りないと感じられるようで、こんな話もちらほら聞こえてきます。
【参考リンク】リモート勤務で叱られぬ日々、「ゆるい職場」去る若手社員…[コロナ警告]きしむ社会 読売新聞オンライン
ベテランの中には「一年目からそんな焦らなくても……」と感じる人も多いはず。彼ら若手の焦りの正体とは何なのでしょうか。そして、彼らを上手くマネジメントしていくポイントとは。
いい機会なのでまとめておきましょう。
「成長を渇望する人材」はこれからのスタンダード
恐らくですが、「新人なんだから一年目からそんなに焦らなくても」と思っている人は、終身雇用型の組織でそれなりに恵まれたキャリアを歩んできた中高年でしょう。
彼らの2,30代は「与えられた仕事をきっちりそつなくこなす」ことが何より重要で、そうしていれば勤続年数に応じて処遇が上がっていく年功序列がスタンダードでした。
だから、そういう感想を持つのはある意味自然だと思います。
でも、今はジョブの時代に移行しつつある最中です。新しい時代では「自分が成長してより付加価値の高い仕事に就くこと」が何より重要で、成長が伴わなければ何年勤めても大した意味はありません。
そういう意味では、成長を実感できないことを理由に転職する若手は、新時代のスタンダードをよく理解していると言えるでしょう。そういう人材を選別できている採用部門はいい仕事してると思いますね。
ちょっと前ですが、20年近く勤続しても手取りが20万円に届かないという話が話題となりました。
【参考リンク】「すごい国。誰も結婚して子どもを持とうと思わないでしょうね」勤続18年で手取り13.3万円の40代女性
このケースはまさに「年功序列の気分で席についてシートベルト締めて待ち続けてたらそこから一歩も進めませんでした」の典型でしょう。
今40代の人がそう言ってるんだから、みんなが気づいていないだけで、年功序列の時代はとっくの昔に終わっていたんでしょうね。
上記の記事中の女性に対しては「なぜ今まで転職しなかったんだ。もう賃上げはそうやって勝ち取らねばならない時代だぞ」と多くの人がコメントしています。
職場のゆるさに耐えきれず転職する若手は、そうしたアドバイスを最初から実践できているだけでしょう。
筆者の経験で言っても、若いころに焦っている人間ほど35歳以降は落ち着くべきところに落ち着いているように見えます。
一番ヤバイのは、与えられた環境に順応しすぎてしまい、自分から動くことがまったくないまま年を重ねてしまうタイプですね。
ええ、確かに定着率は高いです。バブル世代でもロスジェネ世代でもそういうタイプはずっと会社に残ってくれています。
でも、実はそんな彼らこそが、今一番会社が黒字リストラで辞めさせたがっているタイプだったりするわけです。
どこの会社だって、自分で頭使って動けないような人を70歳まで面倒見るのはイヤですから。
以降、
パワハラと成長へのプレッシャーを分けるものとは
自分で成長を実感できる働き方
Q:「有給休暇の買取が広がらない理由は?」
→A:「ジョブ化が浸透すればいずれ消滅するはずです」
Q:「3年くらいフリーターやってから正社員に就職するのはアリですかね?」
→A:「大手の通年採用枠ってプロ野球のトライアウトみたいなものですよ」
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