ギリギリでも良いこと、できるだけ早くやった方が良いこと

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旅行に行く機会が増えたこともあり、最近は出発前の準備をギリギリにならないとやらない癖がついてしまいました。

国内でも海外でも準備を始めるのは、当日の朝。しかも、出発の30分前くらいから一気に始めることがほとんどです。

携帯、クレジットカード、パソコン、電源、アメニティなど、持っていくものがパターン化しているので、スーツケースに放りこめれば、何とかなります。

旅行の準備は、ギリギリでも良いのかもしれません。

一方で、早くても遅くても良いことであっても、敢えてできるだけ早くやった方が良いこともあります。

例えば、請求書の支払いです。

請求書を翌月末までというように期限を決めてお知らせすると、即日に振り込んでくる会社があります。対照的に最終期限当日に振り込んでくる取引先もあります。

どちらも期限に遅れている訳ではありませんから、問題はありません。しかし、前者の方が後者に比べお金のやり取りにクリーンなイメージを持ちます。期限に遅れるのは論外ですが、期限内であってもできるだけ早く支払った方が良いということです。

これは友達とのお金の貸し借りでも同じです。立て替えてもらったお金は、1日でも早くきちんと返す。これがスマートなお金との付き合い方です。

あるいは、パーティやイベントに誘われた時の対応も同じです。

友達からパーティーやイベントの招待を受けたら、締め切りギリギリに申し込むのではなく、1番乗りを目指すくらいの勢いで、できるだけ早く申し込む。

これは相手の立場になって想像すれば当たり前です。集まるかどうか不安になっている主催者にとってすぐに申し込んでくれる人は、とてもありがたい存在です。少しでも早く申し込むことで、相手に喜んでもらえるのです。

請求書は期限までに払えば何の問題もありません。イベントの申し込みも値段が変わらないなら、直前でも同じと思うかもしれません。

しかし、相手側はどのタイミングで行動したかを見ているのです。であれば、出来るだけ早く対応した方が、自分にとってもプラスになります。

自分だけの問題ではなく、取引先や友達のような相手と関係のあることに関しては、早いことに価値があります。タイミングによって価値が変わってくるのであれば、できるだけ早く対応した方が良いのです。

自分事は先送りでも間に合えば良い。でも他人事は、できるだけ前倒しにして相手に喜んでもらう。

そんなメリハリをつけた物事の進め方ができるようになりたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。