オペレーターに繋がせないカード会社の賢明な?戦略

クレジットカードのトラブルが発生し、オペレーターに相談するためにカード会社のコールセンターに電話をかけてみました。

年会費10万円以上のプレミアムカード専用のダイヤルです。カード番号と暗証番号を入力しましたが、アナウンスで「オペレーターにつなげる」という選択番号がいつまでたっても出て来ません。

Alexandr Lysyuk/iStock

何回も繰り返してみてようやく分かった事は「オペレーターにつなげる」と言う選択は、最初に選択肢としてアナウンスされません。

こちらがしばらく番号を選択しないで放置しておくと、ようやく選択肢としてアナウンスされる設定に変更されていたのです。

おそらく、オペレーターに対応させるとコストと時間がかかるため、できるだけ繋がなくて済むようにこのような設定に修正しているのだと思いました。

一見、オペレーターの負荷を軽減する効率的で頭の良い戦略のように見えますが、利用者側からすれば、いつまで経ってもオペレーターに繋ぐことが出来ず、何だか馬鹿にされたようなサービスの低下です。

このカードのメリットは、カードホルダーの人数が少なく、その分コールセンターに待ち時間少なくコンタクトでき、きめ細かいサービスを受けられることでした。

コンシェルジュデスクの使い勝手を悪くすることで、せっかくのカードのウリが色褪せて、ブランドイメージを低下させてしまう。これはハイブランドのカードとしては、賢明というより「愚かな戦略」です。

このようなオペレーター対応だけではなく、年会費の引き上げやポイント付与の条件改悪など、このカードはサービスの低下が続いています。

これを機に、利用しているクレジットカードの見直しと整理を行い、価格に見合わないサービスしか提供していないクレジットカードは解約しようと思いました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。