老人の老人による老人のための政治。これまでの日本の政治を形容するならば、この言葉がピッタリでした。現に日本は世界で最も高齢化が進んでいる国の一つです。しかも高齢化は今後も更に深刻化し、それに伴って高齢者の医療費は青天井になっています。この傾向を止めるには、今が最後のチャンスです。
例えば添付は国土交通省の「国土の長期展望」という資料からの引用ですが、1970年の人口動態と、2050年の予測が書かれています。
両時点での総人口は共に1億人強で大差ありませんが、内実は全く異なります。1970年には20代が人口のボリュームゾーンだったのに対して、2050年には75歳以上の人口が最も多くなるのです。そして人口動態は急に変化せず、しかもコロナ禍で少子化が更に進んでいるので、超高齢化社会はもう目の前まで迫っています。
何よりここまで人口動態が違えば、過去の社会保障制度を今後も踏襲できないのは、火を見るよりも明らかです。にもかかわらず、これまで日本の政治は長きにわたり、与党も野党もこの問題を放置してきました。高齢者の有権者が多い故に、抜本的な改革に取り組めなかったのでしょう。
一方で年寄りの中には若い世代に対して、「自分だって高齢者になるだろう」と開き直る人がいます。正にその通りです。だからこそ持続可能なシステムが必要なのです。
これからの社会を形成していくのは、年寄りではなく若い世代です。自分達自身よりも、自分達より若い世代のために、高齢者が優遇される社会を変えなければならないのです。
今、日本は岐路に立たされています。人口動態が大きく変化する見込みのない以上、仕組みを変えるしかありません。もしここで更に社会保険料の負担率が上がるような事態になれば、もう若者がこの国の未来に明るい希望を見出すのは不可能です。
確かに若年層の有権者数は少ないですが、彼らこそが未来の中心になるのです。この点を忘れないようにしましょう。日本の選挙制度の問題点に関する更に詳しい考察は、過去のnoteで書いています。
是非こちらからご覧ください。
「海外から見た、日本の良い点・おかしな点」 第30回 日本の投票率は何故低いのか?
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(編集部より)この記事は、ちゃん社長(@Malaysiachansan)のポストから転載させていただきました。