こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
5日に発表した維新の医療制度改革案「医療維新」に大きな反響をいただいています。
「具体的な施策の中に、社会保険料負担軽減が入ってないじゃないか!」
「窓口負担の見直しで生まれた財源は別のバラマキに使われるだけで、負担は減らないのでは?」
などの懸念もありますが、ご安心ください。
保険料の引き下げというのは目的なので施策内容の中には入っていませんが、本文を読んでいただければ「現状認識・対処方針・結語」のいずれにもすべて『社会保険料の負担軽減』という文言がしっかり明記されています。
後期高齢者医療制度において現役世代の社会保険料から流用されている「支援金」制度を廃止し、その分の社会保険料軽減を実現する。
そのための財源に魔法の杖は存在しませんから、全世代一律3割負担(還付制度という救済措置あり)を導入して、高齢者にも一定の負担を頭を下げてお願いする。
さらなる不足分については、診療報酬体系や医薬分業体制の見直し、医療DX推進など、聖域なき大構造改革で生み出していく。
また、現役世代の負担を軽減するだけでなく、医療の質と生産性を向上し、その持続可能性を高めることも重要な狙いとしています。
「高齢者から反発も予想されるが、どうするのか」
という質問も、発表記者会見でありました。その時もお答えしたように、選挙を恐れず、批判を恐れず。現役世代への徹底投資は維新の党是。現状を丁寧に説明すれば、共感いただける高齢者の方々も多くいらっしゃると信じています。
賛同の声をいただく一方で、「高齢者の切り捨てだ」「若者も年をとるのに」「世代間対立を煽るな」との批判もあります。この改革案を完遂するためには、世論の後押しが必要不可欠です。
この医療制度改革案は、次期衆院選でも重要公約の一つに位置づけていきます。ぜひ皆様のご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。
-以下「医療維新」の前文(現状認識)を転載-
日本が直面する高齢化と長寿化は、国の将来に深刻な影響を及ぼしている。高齢者を支えるために現役世代に課せられる社会保険料の負担は限界に達し、この重圧は経済および社会の活力を蝕み続け、少子化という新たな社会問題を深刻化させる要因になっている。さらに政府は現在、「子育て支援金」の名の下で現役世代へのさらなる負担増(実質増税)を画策しており、このままでは国の活力や財政基盤が毀損されるだけでなく、医療や介護を含む社会サービスの持続可能性自体すら危ぶまれる。こうした負担の大きな要因になっているのが、年間40兆円を超え、なおも増え続けている我が国の医療費であり、その制度改革の議論をこれ以上先送りすることはできない。
そもそも、医療費は介護費と合わせて日本のGDPの約1割を占め、経済規模で言えば自動車産業と同等である。しかし、その内実は大半が税と保険で賄われており、市場のチェック機能が働きにくい。加えて、人件費の比率が7割にも達する労働集約型の産業であるため、資源の配分や効率性の面で問題が生じやすい。そのため、この日本最大規模の産業には人件費の適正化や効率的な運用モデルへの転換といった医療産業全体の構造改革が求められている。
すなわち、今こそ持続可能な医療制度の構築を核とした抜本改革を断行せねばならない。「生産性革命」ともいえる大改革によって医療システム自体の持続可能性を高め、将来にわたって質の高い医療サービスを全ての国民に提供できる体制を確立するべきである。
聖域なき改革を断行して歳出を抑制すれば、少子化対策としても第一に行うべき現役世代の負担軽減、すなわち現在の高すぎる社会保険料負担を軽減できるのはもちろんのこと、政府の「子育て支援金」制度のように医療保険料を増額・目的外使用して効果が不透明な子育て施策にバラまくという短絡的な手法に頼ることなく、他分野の歳出歳入改革と合わせて、少子化問題の真の解決に必要な財源は確保できる。すでに我が党は昨年6月、「こども未来戦略方針」に関する提言書(維新版・異次元の少子化対策)の中で社会保障制度を含む徹底した歳入歳出改革によって少子化財源を確保することを提起してきたところであるが、その中の医療制度改革について、本政策提言の中ではさらなる具体化を図った。
誰もが等しく歳を重ねるからこそ、構造改革によって世代間格差のない持続可能な社会保障制度を再構築していくことが重要であり、そのための抜本改革案「医療維新」をここに提言する。
記者会見の模様
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2024年3月6日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。