自称「数量政策学者」の高橋洋一さんが「1ドル=300円になってみんなハッピー」という発言で物議をかもしています。
「円安上等。1ドル300円でも誰も文句言うはずない」経済学者の高橋洋一さん主張 『正義のミカタ』#円安 #正義のミカタ #高橋洋一 https://t.co/wpPW9vinsg
— 中日スポーツ (@chuspo) May 4, 2024
これにからんだのがひろゆき。
「円安上等。1ドル300円でも誰も文句言うはずない」
燃料費・肥料代、輸送費が2倍になるので農作物・水産物の価格は2倍。輸入品の価格は2倍以上。電気代も上がります。国内向けで働く人・公務員・年金受給者の手取りは変わらないので、実質的に半額で暮らす。ホントに学者?https://t.co/zFgwsMdrUT— ひろゆき (@hirox246) June 20, 2024
それに高橋さんが反論したが、反論になってない。
円安は日本経済に「悪影響」ではない…ひろゆき氏の批判に改めて「返答」しよう @gendai_biz https://t.co/bwncO4Bx43
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) June 23, 2024
「円安上等。1ドル300円でも誰も文句言うはずない」と主張してるのに、10%円安の図しかありません。1ドル300円の試算はどちらですか?
また、「誰も文句を言うはずない」の根拠の提示が見当たりません。
二点の不備から学生のレポートだったらやり直しですね。 https://t.co/cWHERJcrZ0— ひろゆき (@hirox246) June 23, 2024
ひろゆきは「輸入品の価格が2倍になる」と言ってるのに、勝手に「全ての物価」と言い換えて、それに反論したつもりになる高橋さん。いつもの詐欺的な論法です。
ニッポン放送では、森卓が為替が2倍になったら全てのものの価格が2倍になると間違っている、輸入のGDP比はせいぜい2割なんで、こんな簡単な計算もできないと呆れていた。中学レベルにもなっていない。オレは、近隣窮乏化の例えとして、円安は大谷1番、円高は大谷9番の打順でどちらが点を取れるかとした
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) June 24, 2024
近隣窮乏化というむずかしい言葉を出し、煙に巻いて逃げようとする。
ほんこんさんから。誰かが、オレの円安を批判しているらしい。円安(自国通貨安)は日本有利(自国有利)なのは、近隣窮乏化として古今東西知られている。これに文句があるなら、ノーベル賞クルーグマンや国際機関と議論したら。賢い人は国全体の話と個人を分けられる。そうでない人は自分の話だけ
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) June 22, 2024
近隣窮乏化とは何でしょうか。チャットGPTに聞いてみました。
近隣窮乏化(Beggar-Thy-Neighbor)とは、一国が自国の経済利益を優先し、他国の経済に悪影響を及ぼすような政策を取ることを指します。主に次のような政策が含まれます:
- 為替操作:自国通貨を意図的に安くすることで、自国の輸出を有利にする
- 関税:非関税障壁を設けることで、自国産業を保護し、他国からの輸入を制限す
- 補助金:特定の産業や企業に対して補助金を支給し、その競争力を高める
近隣窮乏化政策の典型的な例として、1930年代の大恐慌時代に各国が競って関税を引き上げ、結果として世界的な貿易の縮小と経済の悪化を招いたことが挙げられます。
つまり近隣窮乏化とは、為替の切り下げ競争が起こった1930年代の話で、今どき誰も使わない言葉です。
そこにひろゆきの天敵、米山隆一さんも登場。
これはひろゆき氏が正しいです。高橋洋一氏が根拠としているOECD's New Global Modelは、現在の経済から得られるパラメータを用いて、現状からの入力変数の微小変化ΔIに対する出力変数への影響ΔOを予想するもので、為替レート150円が300円になる様な大きな変化に対する影響の予想には使えませんので https://t.co/ognjRBdFEV
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) June 24, 2024
この話は、今の日本とは関係ありません。アベノミクスで日本は円安になりましたが、貿易収支は赤字になったので、近隣諸国は窮乏化していない。
円安で交易条件(円の購買力)は大きく悪化した。特にエネルギー価格が上がったので、生活が苦しくなった。
短期的には大企業の海外法人がもうかるが、日本には帰ってこない。長期的には原材料コストが上がり、海外投資の原資(円)が減価するのでGDPは上がらない。 pic.twitter.com/Tpdn1r2s3J— 池田信夫 (@ikedanob) June 24, 2024
日本の大企業は今や輸出より海外投資のほうが多いので、円安で輸出が増えて景気がよくなるという単純な関係にはありません。これが黒田日銀の最大の誤算でした。
高橋などのリフレ派が「円安にはメリットしかない」というのは、黒田日銀の円安誘導を応援したときからのポジショントーク。
実際には円安で成長率は上がらず、インフレ目標も実現できなかった。貿易黒字で景気を回復させるという黒田日銀の発想が時代錯誤だったのだ。https://t.co/7DtWp9IzpP— 池田信夫 (@ikedanob) June 24, 2024
円安は消費者からグローバル企業への所得移転なので、日本経済全体としては損でも得でもありませんが、1ドル=300円という極端な水準になると、消費者の負担が大きくなって暴動が起こるでしょう。