米がない? 高騰してるのは買い占めのせい? アフォですか
SNSでは米がなくて値上がりしているのは買い占めだとかいってる人がいるが、江戸時代じゃないんだから値上がり見越して買い占めするバカは転売ヤーくらいだ。飲食店に下ろしているところは確保のために集めているだろうが普段より高く売れば以後の取引がなくなるなら利益を削っているはず。
需要より供給が少なくなれば値上がりする。
これをインフレと言います。w
過去、消費減で日本の米価は下がり続けデフレの象徴だった。農家も減って作付面積も減った。
まずは米の価格推移。2014年まで怒濤のように下がって半額になりました。失われた20年。デフレの象徴。
作付面積の推移(クボタさんのサイトから)
ひとりあたりの消費量推移
しかし生産性の向上は1995年代で止まった
米の需要が減った
↓ 価格が下がった
↓ 生産量が減った
ところがです。
コロナ禍があげて飲食店の需要が大きく伸びて(飲食店は一般家庭よりロスが大きい)インバウンドが3500万人押し寄せれば、彼らが1週間滞在しても人口が100万人くらい増えたのと変わらず、韓国観光客はお土産に買っていくという。
そんなこんなで価格が上がってきたわけです。米にもやっとインフレの兆しがきた!!
今年の新米の農協の買い取り価格は昨年より大きく上昇。もう米の価格は下がることはない。30年前の価格に戻ってやって失われた30年を取り戻せるわけですね。買い占めで価格が上がったわけではなくそもそも生産量が需要の減少にあわせて下がってきたところに一気に消費が拡大しただけです。そりゃ在庫もなくなるし価格も上がるわ。経済の自然な流れです。
ここで「政府は無策だったガー」とか言う人もいるわけですが、国民が米を食わなくなったのを政府のせいにされても困る。また時代は変わってきていて政府米として買い付けられる適当に作った美味しくない米はどんどん価値を失い、多少高くても丹精込めて作られたブランド米の価値が上がっている。もともと30年で半額になってしまったデフレの米がやっと元に戻るときが来たのである。賃金と物価は必ず連動するので賃金だけ上がって物価は上がらないなんて事はないのです。
農協の買い取り価格と市場価格の差は?
いままで農家さんも努力不足だったと思うのが、売り先を農協に頼り過ぎていたことだ。農協→仲卸→小売りと、それぞれでマージンを抜かれていた。
米の価格は産地によってバラバラですのでここらは適当ですが
Googleのaiによると
農協の米の買い取り価格は、2023年8月26日時点で、JAしまねでは2023年産米のコシヒカリ1等米を60kgあたり1万2200円に引き上げると発表されています。これは2022年産米より800円高い価格で、2年連続の引き上げとなります
だからざっくりキロ200円程度・・・・
コシヒカリ一等米の市場価格は楽天だと500〜1000円だから、工業製品と同じく製造原価は25〜30%程度ということになる。となれば、農家直販なら農家の利益が大幅に増え、消費者は確実に良いお米を購入できるわけです。以前は直販するならサイトを作ったり伝票書いたり大変だったがいまではメルカリやヤフーなどで簡単に通販できる仕組みが整った。
実際にたくさんの農家さんがメルカリを利用している
ざっくり見ただけですでにたくさんの農家が利用している。新米もたくさん。
北海道のゆめぴりかもコシヒカリもさらには有機米も無農薬もよりどりみどり。送料込みでキロ600〜1000円だから千葉の無印で見たのと変わらない。
北海道の夢ぴりか
高知県産こしひかり新米
↑有機が良いならコレ
まあ、こうして中抜きが進んでいくと農家さんの手取りが増え、後継者も出てくる。買う方はスーパーにお米ないない言わなくて済む。メルカリの株は上がるしいうことないです。メルカリの経営陣はいまこそ
お米はメルカリで買おう
というテレビコマーシャル打ちまくるべきです。普段使わない客層をどっと取り込めます。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2024年8月16日の記事より転載させていただきました。