円安で騒ぎ、円高でも騒ぐ日本人

Viktor_Gladkov/iStock

一時、1ドル=160円台まで進んだ円安から一転して円高が進んでいます。

円安の時には輸入品の物価が上がりインフレになると日本中が大騒ぎでした。海外旅行で節約するためにカップヌードルを食べているという家族連れがニュースになったりしていました。

そんな円安基調が変わり、ようやく円高になって問題解決かと思いきや、今度は円高で輸出企業の収益が悪化すると騒いでいます。

しかし、少し考えてみれば、円安の時は輸出企業にはメリットがあり、円高になれば輸入品の価格が下がり、インフレ沈静化に効果があることがわかります。

つまり円安にも円高にも一長一短あって、どこにフォーカスするかによって見方が変わってくるだけのことです。

現実の悪い面ばかりにいつも焦点を当てて、危機意識を過剰に煽るのはやめて欲しいものです。

政治の世界でも似たようなことが続いていると感じます。安倍首相の時は安倍さんではダメだと言い、菅さん、岸田さんでも同じことを言っている。

今度の総裁選で誰が選ばれてもまた同じことを繰り返し言うとしたら、一体誰が首相になれば良いというのでしょうか?

どの政治家にも良い点悪い点があります。支持率の低下によって総裁選出馬を断念した岸田首相も、個々の政策を見てみると決して全てがダメだった訳ではありません。これは歴代の首相経験者に共通することだと思います。

常に現状を否定する。これは非生産的で意味のない行為です。

悪い面ばかりに焦点を当てて否定ばかりしている「ネガティブ思考の評論家」のような人たちとは付き合ってはいけません。

やるべきことは、現状を嘆くことではなく良い面も合わせて認識し、問題に対しては解決のためのソリューションを考え実践することです。

否定ばかりしている人に限って、人のせいにするだけで自分は何も行動しないもの。そんな「他責の人」にはなりたくないものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年9月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。