青木理氏「劣等民族」はレーニン「前衛思想」が根拠

評論家青木理氏の「劣等民族」発言

評論家青木理氏の9月12日配信ネットメディアでの「劣等民族」発言が炎上している。

青木氏は対談した津田大介氏の「人々はなぜ自民党に入れ続けるのか?」との問いかけに対し(自民党に入れる人は)「劣等民族だから」と述べた。この発言に対しては立憲民主党議員を含む多方面から「差別的発言だ」との非難の声が上がっている。

これに対して、現在までのところ、青木氏からは何等の釈明も謝罪もなく沈黙を守っている。おそらく、言論の自由であり間違った発言とは思っていないからであろう。

青木理氏
9月12日配信ポリタスTVより

青木氏の政治的立場

これまで「日本会議」を批判した著書がある評論家の青木氏は、TBSテレビ「サンデーモーニング」のコメンテーターとして野党寄りの発言で知られ、その政治的立場は「反自民」のリベラル左翼と言えよう。その立場からは上記発言は当然なのであろう。

上記発言の趣旨は、国民が賢明であれば自民党を支持せず、立憲民主党や共産党を支持するに違いないとの「思い込み」があるのであろう。しかし、青木氏は評論家として「なぜ多くの国民が多年にわたって自民党を支持し、立憲民主党や共産党を支持しないのか」を評論家として冷静に分析する必要があろう。

多くの国民が自民党を支持する決定的理由

戦後79年間のほとんどを多くの国民の支持に基づき自民党が政権を担当し、日本を世界有数の「経済大国」に押し上げ、さらに自衛隊と日米同盟の抑止力で日本の平和を維持してきたことは否定できない歴史的事実と言えよう。この自民党政権を支持した多くの国民を果たして「劣等民族」などと言えるのであろうか。

改めて青木氏に問いたいのである。青木氏が支持するであろう旧日本社会党、旧民主党、立憲民主党、共産党、社民党などの野党政権で果たして日本を経済大国に押し上げ、日米同盟にも批判的な野党政権で果たして日本の平和を維持できたであろうか。

1年未満の細川連立政権や3年3か月の旧民主党政権を見ても、極めて疑問であるというほかないのである。ここに、多くの国民が自民党を支持する決定的理由がある。

「劣等民族」発言はレーニン「前衛思想」が根拠

ロシア革命の父とされるレーニンは、1902年の著書「何をなすべきか」(レーニン全集第5巻 大月書店)で、「少数精鋭の職業革命家が前衛として労働者階級や農民を指導しなければ社会主義革命は決して成功しない。」旨述べ、労働者階級や農民を青木氏の言う「劣等民族」として指導の対象とした。

まさに、青木氏の発言はレーニンの「前衛思想」を根拠とするものである。しかし、21世紀の自由民主主義国日本では到底許されない時代錯誤の「前衛思想」である。

青木氏は発言を撤回し謝罪すべきである。