佐倉市議会:議員と市職員の「酒席」問題

佐倉市議会では、毎年6月議員が所属する常任委員会が変わります。

佐倉市は総務、文教福祉、経済環境、建設の4つの常任委員会があり、4年の任期でほぼすべての議員がすべての常任委員会を経験することになります。

佐倉市議会の慣例として、常任委員会が決定したら、各常任委員会の委員長が、市役所の担当部の部長や課長級職員を招いて懇親会を実施しています。

今年度、私は参加しませんでしたが、私はこの慣習をやめるべきだと思っています。

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二元代表制の毒にしかならない懇親会

そもそも、議会は行政の監視をするのが役目です。

例えば、行政が効果の見込めない施設を10億円で作りたい、といったときに、「その施設は市民にどのような利益を、どの程度もたらすのか?」と「質問」したり、「税金の使い道として、もっと重要な事業があるだろう」と「指摘」したりするような役目なのです。以上のように議員は、ときには市職員に対して耳の痛い質問や指摘をすることが仕事です。

一方、議員も人間ですから、親しくなった人に対して厳しい質問や指摘をするのは極力避けたい、という心理が働きます。

そうなれば、議員としての仕事に差し障ることになります。

復活した懇親会

佐倉市では、2019年の、いわゆる新型コロナ流行前まで、この慣例は続いていました。2019年は、私が議員になった直後でしたから、よくわからないまま懇親会に参加をしました。

それから新型コロナが流行し途絶えていたものが、昨年6月復活しました。その時も、私は参加しましたが、改めて参加してみて「これはいけない」と思いました。

会場は市内の飲食店であり、会費は各自負担です。委員長が挨拶をして、乾杯をし、飲食が始まります。当然お酒も入ります。主催は各委員会の委員長ですから、市の職員は席としては「客」側になるのですが、内情はその逆で、執行部の上級職員が議員をもてなすような運びになります。

本来、議員と市職員は、「監視する側とされる側」という立場の違いはあるにしても、上下関係はないはずなのですが、市の部長、課長級職員が積極的に議員にお酒をつぎにもきます。

確かに会費は自己負担ではあるものの、内容としては以上のとおりで、市職員による議員の接待のような会合と感じました。

私は一次会で帰りましたが、議員に引き連れられて、たくさんの市職員が二次会に向かっていました。

これでは、「議会と執行部の適切な牽制関係」をゆがめる会合を、議員自らが開催しているようなものです。

知り合いの地方議会議員の方に聞いてみると、そのような慣習は昔のものだとする市町村がある一方、毎議会後のお疲れ様会の他、忘年会や新年会もあり、年間6回も7回も宴会がある地方議会もあるそうです。

私としては、このような慣習は廃止すべきだと思いますが、皆さまはいかがお考えでしょうか?