黒坂岳央です。
ビジネスでいろんな人とコミュニケーションを取っている中で「この話し方は相手を不快にさせるな」という特徴がいくつかある。不思議なことに話者が変わっても、この特徴に当てはまる話し方をするとどうしても気持ちの良い感覚がしない。
気になって調べると、筆者だけではないようである。なぜ良くないか?という理由もつけて取り上げたい。
※尚、本稿の内容はプライベートの会話ではなく、あくまでビジネスの会話について言及している。
1. 前置きが長い
よく言われることに「ビジネスは結論から話しなさい」というアドバイスがある。実際、これは9割以上の文脈に有効な話し方であり、英語圏でもI think this for three reasons.(自分はこう考える。その理由は3つある)といったような話の型を教わる。
筆者はアメリカ大学留学中、米国系外資でプレゼンや執筆においてこのような型を叩き込まれた。また、現在はYouTubeチャンネルも持っているが、開始直後に必ず動画の主旨、主張、結論を伝えるようにしている。理由は早く結論を伝えないと視聴者はしびれを切らして見るのをやめてしまうからだ。
目的のある会話の場合、話を聞く相手は「この話のゴールは?」というニーズを持っており、それが達成されると次に「なぜそのような結論に至ったか?」という根拠を知りたくなるようにできている。1.結論、2.根拠。このセットで話す型を持っていると、話し方が理由で相手にイライラされなくなる。こうした背景を考えると、あまりに前置きがダラダラ長いとイライラして相手の話の内容がまったく入ってこなくなることは容易にわかる。
問題は話者にとって、かなり訓練しなければ結論から話すことは簡単ではないということだ。結論から話せるということは、話の全体を理解し、結論を一言に圧縮しておく必要がある。それはかなり高度な知的作業になるため、多くは最も頭に楽な「時系列順」に話すやり方を選びがちだ。
他愛もない日常会話などはそれでもいいが、ビジネスの場では明らかに結論を後回しにするべき文脈を除いて、結論から話す訓練をした方が良いだろう。
2. 語尾を伸ばす
筆者はコールセンターで働いている時に、語尾を伸ばす話し方はしないようにと厳しく指導を受けてきた。語尾を伸ばす話し方とは、「これって◯◯でぇ~。○○な時にぃ~」というイメージのものだ。若い人については寛容な人はまだいるが、中高年期以降の人がやると不快感に感じる人は一定数いるだろう。
語尾伸ばし発祥には諸説あるが、個人的に考えるのが「会話権の確保」を疑っている。どういうことか?会話が途切れたら、そのスキマに割って「そういえば別件ですが」と相手が話を始めることは時々見られる。ところが、語尾を伸ばし続けると、その間は話者のターンが継続するので相手に会話権が渡ることはない。
これは完全に個人の主観に過ぎないので例外はいくらでもありそうだが、語尾を長く伸ばす人は総じてのんびりゆっくりな印象を受ける人が少なくない。テンポが遅いとドンドン会話のイニシアチブを奪われる。それをさせないために、自分の会話ターンを語尾のばしで確保する癖付けにつながったのかもしれない。
いずれにせよ、ビジネスの場では好ましい話し方ではないのでやめたほうが無難である。検索すると「頭が悪そう」といったような悪印象を持つ人は少なくない印象だ。ポジティブな印象を与える可能性は低いため、改善が望ましいだろう。
3. 半疑問形
この話し方は「半クエスチョン」と言われることもあり、英語圏ではuptalkといって「自信がない話し方」として大人の話し方としては好ましくないとされる。
具体的には「先週?に○○さんが言われていたんですが、やっぱり?そういう話は」といった具合に語尾が上がる話し方である。この話し方が良くないと言われる理由は、都度聞き手に共感、確認を要求しそれが相手の負担になる点にある。
また、ビジネスの会話は話に責任が伴うのが普通であり、半疑問形の話し方は物事を断言しない「逃げ」と感じられて信用を獲得することが難しい。さらに自分の中での確認のために疑問形にしているか?相手に確認をしたいのか?その見分けがつかないのもイライラさせる原因になり得る。
いずれにせよ、大人のビジネスマンには好ましくない話し方であることは明確であるため、ビジネス会話には使用しないほうが良いだろう。
相手からネガティブに取られる話し方は日本語、英語でもそれほどあまり変わらない。時間や労力が経営資源であるビジネストークの場において、責任回避、情報伝達の非効率性の余地のある話し方は明確に嫌われるので、必要に応じて都度改善をするのが良いだろう。
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