黒坂岳央です。
昨今、日本でも格差が拡大している。日銀の調査によると、昨年6月末は家計の金融資産が2212兆円で過去最高更新した一方で、エンゲル係数は42年ぶりの高水準で家計支出の28%となっている。日本人全員が貧しくなった、というよりお金持ちがますますお金持ちになり、その逆も起きているということを意味する。
また、格差がついているのは資産だけでない。統計データに現れない「社会的地位」の差も拡大していると感じる。特に決定的なのが「オッサン格差」なのだ。
※本稿はあくまで社会現象を問題提起する意図で書かれた。もちろん、上から目線なつもりはなく、筆者自身も不断の努力が必要であることは言うまでもない。
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SIF/iStock
「カッコいいオジサン」と「ダサいオッサン」
「オッサン格差」とは、中高年の男性において成功者として尊敬される人がいる一方で、周囲に敬遠される存在も生まれるという現象だ。
20代や30代の若い頃はあまり格差が目立たないし、本人にもその実感はない。ところが、40代以降にはいよいよ決定的になる。だが、これは生まれつきの問題ではなく、若いうちから意識して対策すればなんとかなるし、オッサンになった後でも努力して取り戻せるものもある。
次の章では所得や資産、学歴やキャリアという誰もがわかるステータス以外で磨くべきパラメータを取り上げたい。
高めるべき3つのパラメータ
1つ目は清潔感や見た目である。ここで言う外見とは「生まれつきイケメンかどうか」などではなく、あくまで周囲を不快にさせない手入れやメンテナンスを指している。
たとえばお腹がでっぷりするのを防止するため、食べ過ぎを控えて適度に運動をする。またはヨレヨレで古臭くダボダボな服装ではなく、なるべく体型にフィットする小綺麗な格好だ。さらに、体臭や口臭、歯にも気を配りたいところである。
そして今言った内容は、生まれつきではなく意識と行動で即日改善できるのだ。逆にだらしない外見だと、仕事や人間関係でも信頼関係を作るのは難しい。「デブは出世できない」という有名な言葉通り、見た目だけで損をしないようにしたいものである。
2つ目は社会性である。年を取ると物事を否定から入ったり、今の時代役に立たない古い知識、価値観のまま周囲と接しがちだ。そうなると知らず知らずの内に周囲とのコミュニケーションで相手を不快にさせて人が離れる。
そのため、相手の話をきちんと聞き、適切な会話のキャッチボールができるくらいにコミュ力を高める努力をした方が良いだろう。世の中には山のように「会話術の本」が出ているので、まずはそうした本を10冊読むだけでも随分と改善されるはずだ。
また、時代に対応したテクノロジーを使う訓練もした方が良いだろう。今どき、メッセージで十分済む内容なのに自分都合だけでいきなり電話をかけたり、何かと手のかかるアナログ対応を求めると相手から敬遠される。何より自分も非効率だ。
3つ目は教養とビジネス力だ。望む、望まずに関わらずあくまで一般論でいえばオッサンという存在は知力と仕事が求められる立場だ。特に職場において年下と接する際は「年相応の仕事や知力があるか?」はかなり厳しく見れるのが普通で、「この相手から学べる点がない」と思われたら相手から尊敬を勝ち取ることは難しいだろう。
そのため、やることはひたすら自己研鑽だ。先端のテクノロジーを使う勉強をしたり、現況の正確な環境認識、専門分野のブラッシュアップなど学ぶことは山のようにある。
◇
これは過去記事に書いたことがあるが、「基本的に中年のオッサンは周囲から警戒される存在」くらいに思っても良いだろう。
筆者は子連れで出かけると気軽に声をかけられるが、一人だと皆無だ。その他の例として小さな子供を公園で遊ばせているパパにはまったく不安はないが、仮に一人でブランコに乗っている中年男性がいる場所へ子供たちだけで遊ばせるには勇気がいらないといえば嘘になる。しかし、ここで身なりや受け答えがきちんとしていればかなりの程度、警戒感は和らぐ。
現実的にオッサンの社会的パラメータは高くないと理解し、それ故に努力と創意工夫で各値をできるだけ引き上げる努力をする。それにより立場を改善することができるのではないだろうか。
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