メルマガ集客20年の士業が送り続けている内容(横須賀 輝尚)

grinvalds/iStock

大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書『資格起業バイブル』から、再構成してお届けします。

毎回売り込みだけのメルマガは、いうまでもなく嫌われる

Q:メルマガでセミナーの集客をしても集まりません。メルマガで集客はできるのでしょうか?

横須賀先生のいうとおり、メルマガを始めました。始めたのはよいのですが、セミナーの集客もうまくいきませんし、出せば出すほど読者が減少してしまいます。本当にメルマガで集客できるのでしょうか?

メルマガはもっとも効果がある営業ツールです。今すぐの顧客ではない見込み客を「つなぐ」ことができますし、またセミナーの集客なども実現できるようになります。

しかし、使い方を間違えるとメルマガも単なるスパムメールとして扱われてしまいます。書き手としては一所懸命書いているつもりでも、相手にとってはただの迷惑でしかないということはよくある話です。

このようなまったく売れないメルマガは、毎回売り込みばかりのメルマガを書いていることがほとんどです。「何かあればいつでもご相談ください」「セミナーがあるので来てください」などとメルマガが来るたびに書いてあるとすれば、誰でも気持ちよいものではありません。つまり、メールマガジンから問い合わせがほしい、あるいはメルマガからセミナーの集客がしたいと思うのであれば、売り込みのない、そしてお客様の役に立つ情報を送り続け、お客様に信頼される必要があります。

多くのメルマガに関する指南書は、メルマガのどこに何を書くかのような、形式的なことばかりフォーカスしていますが、重要なのはお客様にとって役に立つ情報を出し、お客様に信頼されることなのです。これは、リアルな人間関係に置き換えるとわかりやすくなります。

たとえば、あなたがある交流会である人に会ったとしましょう。その人は、どこかであなたを見るたびに何かを買ってくれといってきたとします。さらに2回目に会ったときも、3回目に会ったときも、毎回セミナーに参加してくれ、業務の依頼が欲しいといわれれば、誰でもうんざりしてしまいます。このような場合は、リアルな人間関係に当てはめればすぐにわかるのですが、メルマガではついつい毎回売り込んでしまう人が多いのです。それによって、読者は離れていってしまうのです。

あくまで「情報提供ツール」としてお客様の役に立つ情報を送ろう

では、どのようなメールマガジンを送ればよいのかといえば、それは「お客様の役に立つ情報」です。士業のお客様は「経営者・起業家」が主なお客様になります。ですから、経営に役立つ情報を送る必要があるのです。

たとえば、税理士であれば節税に関することや税務調査の対応方法があります。社労士なら助成金や人事労務の問題点など、経営者にとってメリットがある情報を出していく必要があります。こうした情報を無料で提供することによって、あなたのことを信頼してくれるようになるのです。

私自身メールマガジンを20年ほど配信していますが、基本的にはマーケティングや経営に関することを書き、読者の皆様のお役に立てるような内容にしています。こういった内容にすることによって、喜びの感想などもいただけるようになりますし、何よりセミナーの集客や業務の問い合わせが増えます。つまり、売りたければ売り込まないメルマガを出すことが重要なのです。

メルマガは「読者を自分で増やす」必要がある

そして、読者は自分で増やしていかなければなりません。メルマガが流行していた時期はただメルマガを発行するだけで読者が増えましたが、今ではそのような甘い話はありません。自分自身でメルマガ読者を増やしていく必要があります。主な増やし方は次のとおりです。

(1)会った人にメルマガ登録を促す
名刺交換した人にメルマガの登録を促し、登録してもらう方法です。名刺にメールマガジンを発行していることを書いておきましょう。ただし、今ではメルマガだけでは希少性が低いので、メルマガ登録者に小冊子のプレゼントなど、何かメリットになるものを加えるほうがベターです。

(2)ネットで広告を打つ
メルマガ登録ページをつくって、リスティング広告に出稿したり、SNS広告に出稿したりして読者を増やす方法も効果的です。

(3)セミナーなどで告知する
もし、セミナーをする機会があれば、そこで告知をして登録してもらうという方法があります。主な手法としては以上のようなものがありますが、ただ待っているだけでは読者は増えませんので、ぜひ集める努力をしてください。

横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 特定行政書士
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。
会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚 https://www.amazon.co.jp/dp/B08P53H1C9
公式サイト https://yokosukateruhisa.com/

【関連記事】
「メルマガなんて時代遅れ」は本当か?(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
個人情報を守りながら生成AIに自分のことを知ってもらうには(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
生成AIをあなた好みのキャラにできる「キャラGPT」を作ってみよう(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
自分の性格や趣味をよく知る生成AIと雑談を楽しむ方法(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
ChatGPTであなた専用の雑談相手を作る方法(横須賀輝尚 経営コンサルタント)


編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年12月18日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。