両陛下の『スイス・スキー旅行計画』報道を歓迎する

週刊『女性自身』が、「雅子さまフルムーンでスイス湖畔へ陛下と夫婦旅」ということで、陛下が来年あたり雅子さまの慰安旅行を計画され、スイスでスキーを楽しまれるなど有力との記事を書いている。

「青く輝く湖畔に立たれる天皇陛下と雅子さま。そんなフルムーン旅行が実現する日が待ち遠しい」というのだ。

これが本当なら、私は大賛成だ。皇后陛下は、ご成婚しばらくして海外に行かせてもらえないことを不満としておられたことは、皇太子時代の天皇陛下が、2004年5月10日に記者会見でいわゆる「人格否定発言」をされたことで知られるようになった。

天皇皇后両陛下 宮内庁インスタグラムより

「外交官の仕事を断念して皇室に入り、国際親善が皇太子妃の大切な役目と思いながらも、外国訪問がなかなか許されなかったことに大変苦労していました。雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」、「なかなか外国訪問ができなかったことを、雅子も私もとても悩んだということをお伝えしようと思います」という内容だった。

民間から皇室に入り、いろいろ慣れないことも多い中で、まずは、得意分野の外交でなく、皇室行事や国内の仕事に慣れることを優先すべきだというのが、上皇陛下御夫妻のご判断だったということだったのだろうが、それを雅子さまは意外なことだと受け取られていたということだ。

これに対して、秋篠宮殿下が「公務は選ぶものでない」と仰って、当時は雅子さまへの批判が圧倒的だったのである。

その後、雅子さまは体調を崩され、皇太子時代の陛下が単独で海外を訪問されることが続いたが、2013年にオランダ国王戴冠式、トンガ国王戴冠式に御夫妻でご出席になった。だが、スペイン、南アフリカ、米国、マレーシア、デンマーク、ブラジル、フランスには、皇太子殿下が単独で訪問された。

2019年のご即位後は、エリザベス女王の葬儀のあと、インドネシアと英国に両陛下で国賓訪問されている。ただし、インドネシアでは、雅子さまの体調に配慮して、陛下単独の公務が多く、あるいは、ご体調をみながら出席の可否を決めたものもあった。

さらに、英国ご訪問では、宮内庁関係者のほか、首席随員の中曽根弘文、外務省、医師団、警護関係者など大人数を引き連れての国賓訪問なのに、雅子さまの体調に合わせ公務はあまり入れなかったし、残りも陛下単独が多く、7日間(これまでは最長で4日)という長い日程であったにもかかわらず、12回のランチ・ディナーのうち両陛下の公務は3回、陛下単独が1回、両陛下がホテルで私的にとられたのが8回という異例の日程だった。

陛下は二月の記者会見で、「チャールズ国王王妃両陛下を始め、多くの方々に温かく迎えていただくとともに、長年二人で訪れたいと思っていた懐かしいオックスフォード大学を初めて一緒に再訪することができました。雅子にとっては、実に30数年ぶりのオックスフォードとなり、本人もとても喜び、懐かしがっていました。オックスフォード大学では、以前に私も頂いた名誉法学博士号を雅子にも授与していただき、大変光栄なことと雅子は心から感謝し、私もうれしく、また有り難く思っております」とお慶びを語られていた。

しかし、このような日程は異例であるし、公務の内容の割に長い訪問には莫大な費用もかかる。

宮内庁公表資料でみるロンドンのホテル代だが、宮内庁が支出したとして公表されているところでは、1億3530万8,757円(4泊分か?6泊だが2泊分は英国持ちのはずなので。ほかに国賓訪問では多額の外務省分が使われている)。ちなみに、エリザベス女王葬儀のときは12,824,247円(1泊分)、皇嗣殿下が戴冠式出席20,592,914円(2泊)であり、国賓訪問は物入りなのだ。

私はこういう形より、両陛下にはどんどん、私的な休暇のかたちで海外に行かれて、とくに外国の王室と非公式に交流していただいたらいいと思う。先日も秋篠宮皇嗣殿下がタイのナレースワン大学から畜産学の名誉学位を授与されたため、2泊3日でタイを私的に訪問された。私的な休暇旅行は少人数のアテンドでいいので、どんどんいって戴ければ良いのである。

たとえば、「女性自身」が報じたように、スイスにスキー旅行に一週間ほど行かれたら、各国のロイヤル・ファミリーも来ているはずだ。また、途中、どこかの国を非公式に訪問されたら、本当の意味の皇室外交として実り多いものになる。

また、その方がいいと思うのは、皇后さまとご一緒にという陛下のお気持ちは分かるが、その結果、陛下の外国公式訪問は、一昨年がインドネシア、昨年が英国だけで、今年はモンゴルだけらしい。

これは残念なことで、国賓訪問には、愛子さまを連れて行かれたら、皇室外交の戦力として自立することを早められるし、佳子さまと時にはご一緒されるのもいいし、悠仁さまをお連れされたら、このうえなく良い帝王教育になるのではないか。

付け加えるに、「女性自身」は雅子さまや愛子さまについての記事は、つねに非常に詳細で、その内容や論調から、雅子さまに近いところに有力な情報源を持っているからだと言う人もいるから、そういう希望を皇后さまご自身でなくても、周辺の人が持っているということだろう。

ただ、週刊誌の「雅子さまフルムーンでスイス湖畔へ陛下と夫婦旅」へというタイトルはさすがに刺激的だと思ったか、電子版の記事では、『雅子さま秋篠宮さまはタイ、ご一家でブータンも…19年間“私的なご旅行”を控えている理由』という言い訳がましいタイトルに変更されていた。

参照:雅子さま 秋篠宮さまはタイ、ご一家でブータンも…19年間“私的なご旅行”を控えている理由 女性自身