晴海フラッグのBRTに自動運転の導入を!

東京BRTの連節バス
Wikipediaより

鉄道のアクセスが悪い晴海フラッグですが、新橋駅まで直通のBRTが走っています。

BRTというのはBus Rapid Transit(バス高速輸送システム)の略称です。連節バスや専用レーン、優先信号などを活用することで、従来のバスよりも速く正確に大量に輸送できるシステムとされています。

しかし、晴海フラッグで走っているBRTはお世辞にもBRTと言えるレベルではありません。

確かに、はるみらいという停留所を出ると環2を真っ直ぐ走って信号がほとんどなく、通常のバスに比べ圧倒的にスピーディーです。乗ってしまえば新橋駅までノンストップでわずか5分ほどで到着します。

問題は運行本数です。図表は新橋駅からの時刻表ですが日中は1時間にわずか4本程度しか走っていません。

15分に1本では時間を合わせて出かけなければならず、東京の交通システムとしてはかなり貧弱と言えます。晴海と東京駅を結ぶ都バスはその倍以上の運行頻度ですから、利便性はBRTが劣ります。

さらに問題なのは運行終了時間が早く、夜10時過ぎの最終便になるととても混雑することです。

メトロよりも乗降に時間がかからずストレスフリーな乗り物として期待したBRTですが、最近は待ち時間が勿体ないと思うこともあり、新橋からタクシーで帰ることも珍しくなくなりました。

運行本数を増やさない本当の理由は知りませんが、もし運転手不足が原因ならバスの自動運転を真剣に検討すれば良いと思います。

晴海フラッグから新橋までのBRTの路線は、信号の無い環2を真っ直ぐ走っていく道がほとんどです。狭い道を通ることもなく、歩行者を巻き込むリスクも低いルートです。自動運転実験をするのに最適な路線です。

もしかしたら運行本数は今後タワーマンション棟が完成してさらに住人の数が増えるのに対応して増便されるのかもしれません。

運転手の確保ができるとしても自動運転を推進すれば、夜間の運行などもやりやすくなります。

2倍の輸送量のある連結バスを走らせるよりも、普通の車両で良いので運行頻度を増やす方が顧客利便性は高まります。

バスよりも一歩進んだ「BRT」を名乗るからには、現状のバスよりショボい使い勝手を何とかして欲しいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。