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大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。なにもないところから資格を使ってどう稼ぐのか? 資格を取ることで人生を逆転させた、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書『ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本』から、再構成してお届けします。
資格には「信頼」という圧倒的な威力がある
資格の最大のメリットとは、一体なんでしょうか?実は、多くの会社がのどから手が出るほどほしがっている「あるもの」を、資格は最初から持っているのです。
その「あるもの」を解説するにあたって、私の創業のころのエピソードを少しお話しします。行政書士として活動することを決めた私が、まず起こした行動は「営業」でした。
「行政書士も仕事を取るわけだから、営業する必要がある」
早い段階でこのことに気づけたのは、非常に大きかったと言えます。多くの場合、資格を取った方は「自分が資格を取ったことをたくさんの人に知ってもらおう」という視点が抜けがちです。私自身も、自分が資格を取ったことを知っているのは両親と友人数名くらいであることに気がつき、もっと自分を知っている人を増やさなければと思いました。
言うまでもなく、自分が資格を取っても、自分のことを知っている人がひとりもいなければ、仕事も当然来ませんし、意味がありません。
営業経験のなかった私ですが、多くの人に話を聞き、まずは「名刺を配ること」から始めました。ビジネス系のセミナーに出席したり、異業種交流会に出たりして、名刺を配るのです。そのとき、驚くべきことに気がつきました。私は当時23歳。当然、そんな年で独立起業などしている人のほうが少ないわけですから、まず誰も信用してくれないだろうと考えていました。
ところが、まったく逆だったのです。「その若さで資格を取って活動しているのか、実に立派だ」「行政書士の資格をお持ちなのですね、優秀なんですね」、そんな声をいただきました。もちろん、若いということから信用していただけない場合もあったのですが、おおむね信用してもらえました。
このように、資格は「信頼」という点で圧倒的な威力を持ちます。つまり、「あるもの」とは「信頼」です。資格は最初から相手に信頼を与える力を持っているのです。
小さな会社になくて資格にあるもの
開業するのに資格なんていらない。たしかにそういう面もあります。しかし、たとえばウェブデザイナーとして開業した人で「DTPエキスパート」という資格を持っている人と持っていない人がいたら、技術的なことに関しては、どちらに仕事をお願いしやすいでしょうか。
もちろん資格がすべてではなく、人柄や実績なども当然加味されるでしょう。長い時間かけて自分のことを話すことができれば、相手に信頼してもらえる確率は上がります。しかし、もし時間がなかったら、どうでしょう。ウェブサイトの制作実績などを見てもらえなかったら、能力は伝わりません。
このように、小さな会社になくて資格にあるもの、それが「信頼」です。
小さな会社は大手に比べて信頼度やブランド力が低いと言われます。その信頼を勝ち取るために、実績をつくり、大手法人と取引するために頭を下げ、ということをしているわけです。これに比べて資格は、一度取ってしまえば一生使える「信頼」になるのです。
このように、フリーランスで活動する際、資格は「短時間で圧倒的な信頼を得る」ことができます。私は資格の絶大な信用力に気がつき、さまざまなところで営業活動をおこなうようにしました。若くても、経験がなくても、資格は自分という人間に「信頼」を与えてくれるのです。
これはフリーランスで動くようになったら、大きな差になります。「すぐに信頼を得られる人」と「いつも信頼を得るまでに時間がかかる人」、あなたはどちらを目指しますか? 答えは言うまでもないはずです。
誰でもできる資格でつくる戦略的人生
戦略的に資格を選んで、ステップを踏んでいけば、必ずあなたも思うような人生を歩むことができるはずですが、そのために重要なのが、まずは資格の謎を解き明かすこと。
実は、資格にはあなたを失敗のスパイラルに落とし込んでしまう謎が隠されています。これに侵されてしまうと、資格で成功どころか、ドツボにはまってしまうのです。
次に重要なのが、資格の選択と試験対策。資格の選び方をほとんどの人が間違えています。間違った資格の選び方をしてしまうと、とても不幸です。やりたくない仕事のために、必死で仕事をする、そんな生活を送ってほしくありません。
そして試験対策。間違った試験対策によって多くの方が受からない、落ち続けるというスパイラルに入ってしまっています。重要なのはテクニックではないのです。資格選択と試験対策。これを戦略的に考えていくことが成功の秘訣と言えます。
そして最後のポイントは、資格取得後を明確に描き、戦略を練ったあとで戦術をしかけていくこと。そして多くの成功事例に触れて実践すること。これが重要なのです。
資格を取って人生を積極的に彩ろう
資格の持つ「信用」について、ご理解いただけましたでしょうか。もちろん、資格を取って社内で昇進する、転職するというのもひとつの方法です。しかし、本当の意味で自分らしい人生をつくるには、自分の力で仕事を生み出し、収入を増やしていくことが重要だと思うのです。
資格を取って、すぐに会社を辞めろということではありません。何が起こるかわからない現在、安易に会社を辞めることはしないほうが賢明でしょう。いまお勤めの方は、勤めながら資格を使って人生戦略を練るチャンスなのです。
自分の収入は自分で決めましょう。誰かに評価してもらい、そこで決まる給与より、自分で収入をつくり出す積極的な人生を私はお勧めします。そして、今後はよりそうした選択をした人が勝ち残っていけるはずです。そのために、資格の戦略的な活用を考えてみてはいかがでしょうか。
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横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
士業専門の経営コンサルタント。2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、のべ全国3,000名以上の士業から相談を受け、相談件数は優に2万件を超える。主な著作に『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業BIBLE』(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。最新刊『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。
X(旧Twitter) : @yokosuka_ai
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2025年5月7日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。







