日本航空(JAL)が全社を挙げて生成AIの活用に取り組んでいるそうです。なんと社員の8割が「JAL-AI」という独自プラットフォームを利用しているとのことで、整備部門の正確性重視に配慮して「あえて生成しない」検索機能まで作り込んだというのですから、その真剣ぶりには感心させられます。
JAL社員の8割、業務に生成AI活用 正確性重視ならあえて「生成せず」https://t.co/i9SGdjUpiX
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 4, 2025
JAL-AIは、議事録作成からマニュアル検索、空港での乗客対応支援まで幅広い用途に対応し、現場の声を丁寧に拾い上げて実装された機能も多いとのこと。まさに「地に足のついたAI活用」といった印象を受けます。
ところが、そんなJALが誇る“現場密着型AI活用”のイメージを一瞬で吹き飛ばす出来事がありました。JALが新たに発表した年会費24万2000円の高級クレジットカード「JAL Luxury Card」の公式サイトに掲載された画像が、まさかの生成AI製だったのです。
年会費24万円のJALの高級クレカのサイト、使ってる画像がAI生成なせいでポップコーンにストロー突き刺さってたりフォークが異形すぎたりしてとても味わい深いhttps://t.co/gMt5fymobs pic.twitter.com/rdxBUY1DAX
— たゆる (@ta_yu_ru) August 1, 2025
しかも、画像の完成度が「ラグジュアリー」とは程遠く、X(旧Twitter)上では「ポップコーンにストローが刺さっている」「フォークが異形」「プールサイドに寝室用ベッド」「決済端末のボタンが謎配置」といった“味わい深いAIの暴走”が次々と発見され、ネット民の格好のネタとなってしまいました。
JAL高級クレカのサイトに載ってる生成AIらしい画像、ポップコーンにストロー刺さってるのは修正されたみたいだけど男性の左に足だけ見えてるし、フォークの先端が多いのはそのままだし、他にもプールサイドに寝室に置きそうなベッドあったりカード決済端末のボタンや紙袋の取っ手の紐がおかしかったり https://t.co/MPlYRWCiQR pic.twitter.com/FGY6d9f1h3
— 瑞秀 (@b0000kshelf) August 2, 2025

ポップコーンは修正されたが脚が生成された JAL Luxury Cardの公式サイトより

料理が不味そう/フォークの形がおかしいなどが指摘された JAL Luxury Cardの公式サイトより

自社カードじゃないと突っ込まれた JAL Luxury Cardの公式サイトより
自社開発のJAL-AIでは「RAGではハルシネーションが起こるから採用しない」と語っていたその企業が、なぜか最高級カードの顔となる画像で、AIの幻覚にまんまと乗せられてしまったわけです。
JALのラグジュアリーカードのLPが生成AIだという話、駆け出しWebデザイナーが生成AIで作った適当コードをぶっ込んで公開されたのかとよくよく見てみるとAEMが使われてるので社内担当者がFireflyを活用して作った節の方が有力かな
— h.coffee – Shingo OKAMOTO (@hage) August 2, 2025
業務AIには精度を追い求めて「生成するな」と言いながら、ブランドイメージを担うWebサイトでは「とりあえず生成しておけ」という判断が下されたのだとすれば、現場主義もラグジュアリーもどこへやら。むしろこのAI画像騒動こそ、「人間の目による確認」というアナログな価値をあらためて教えてくれたのかもしれません。
空港で正確なマニュアル検索を求める整備士の真剣な眼差しの一方で、Webサイトではストロー刺さったポップコーンが「これでいこう!」とGOを出される。そんなJALのAI活用には、どこか涙ぐましいコントのような味わいがあります。
記事書きました
生成AI画像は使っていい。でも使い所を考えて
あと使うなら1回くらい目視チェックしてJAL最高峰メタルカード公式サイトに生成AI画像。品質が低く、年会費24万円の価値を疑われる事態に #エキスパートトピ(篠原修司) – エキスパート – Yahoo!ニュースhttps://t.co/BecLl4Z27y
— 篠原 修司 (@digimaga) August 4, 2025
今話題沸騰中のJALによる生成AIを活用した画像の活用。これは完全に利用方法を誤ってる良い例。アイディア出しやコンポジションなどで使う分には良いけど、最終アウトプットに採用すると「あ、ケチったな」と、高級クレカには相応しくない印象を与えてしまう。まあ、何事もトライアンドエラーですね。 https://t.co/tPrzfjzHrl
— Brandon K. Hill | CEO of btrax x/2 (@BrandonKHill) August 3, 2025
どうか次は、「JAL-AIで画像チェック機能」の導入をご検討いただきたいものです。






