外食と自宅クッキング:「結婚する時は親を見よ」という真理

外食が好きな方にはほぼ毎食外で食べる方もいらっしゃると思います。確かに日本で外食ならばそれは一つの選択肢でありますが、食べるものが偏りやすく、カロリーも取り過ぎる懸念があるので注意が必要です。

先日、日本の学生が研修で10名ほど集まった際に昼食にBBQをしたのですが、その際、何人かに手伝ってもらいました。ソーセージに切れ目を入れる役割の女子学生の包丁を持つ手のおぼつかないことこの上なし。私は単刀直入に突っ込む癖があるので「あなた、料理苦手?」とズバリ聞いたところ、「母に邪魔だから向こうに行っていてと言われます」と。野菜の千切りをするのに10分もかかるとか。それでは母親も邪魔扱いするだろうなと。しかし、その根源を作ったのはその母親に理由があることも事実です。

ずいぶん前ですが、日本人のお宅にお邪魔したところ、年頃の姉妹がいたのですが、妹は母親と仲良くキッチンに立つ一方、姉はずっとソファに座ったまま。そのあと発覚したのですが、姉はコメも焚けないとのこと。理由は料理は母と妹がやるもので自分は出されたものを論評するだけだからそうです。

よく性格的に父親似と母親似がありますが、この場合、父親が家のことやキッチンに立つことが全くないと類推できてしまうのです。(後日、それが事実であることが判明しています。)故に「結婚する時は親を見よ」と私は言うのです。親の性格や行動を見て、自分の付き合う相手が父親似か、母親似か判断できれば自分の付き合う女性の2-30年後はそうなると予想してあらかた外すことはないでしょう。

話がそれました。私はよく人から「料理するんですか?」と聞かれます。普通にしています。それも昼と夜。家と会社が近いこともありますが、それ以上に気分転換になるのです。よく通勤時間は仕事とプライベートの気持ちの切り替えタイムという方がいらっしゃいますが、私は鍋を振るのが気分転換。もちろん、時間がないので凝ったものはできません。もしかすると私もかなり似たようなものばかりを食しているかもしれません。それでも外食よりはずっと良いと思っています。

その一つの理由は味付けにポイントがあります。私はカフェ経営もしたし、アメリカでレストランの管理業務もしていたし、学生時代はレストランの厨房で3年間もバイトしたので一定の理解があります。それは「外食は味が濃い」であります。味覚は強い味で麻痺させることにより「おいしい」と思わせるパタンが多いのです。特に私が恐ろしいと思ったのはデザート系で、使う砂糖の量を知っている人ならどれだけおいしそうなケーキでも食べられないだろうな、と思います。

当地ではお付き合いもあるので外食は週に数回はあります。基本的には旨いと思うことはあまりなく、あくまでも人との会話のお供という位置づけであります。先日もあるフレンチレストランに行き、素敵な店構えで、サーバーが恭しく給仕してくれたのはいいですが、これで一人1万円かとおもうと寂しいものを感じてしまいました。

私はカナダでの外食は割り切ることにしています。では日本ならどこでもよいのか、というと実は私は池袋が本拠地になるのですが、いちいち丹念に事前調査をしないので当たりの確率は半分以下。長くやっている店は安定した旨さがあるのですが、新規店では失敗率がやや大きいようです。

日本に行くカナダ人に「どこで食べたらよいのか?」と聞かれるので最近は「デパートの上のレストラン街が穴場」と言っています。観光ガイドにはデパートのレストラン街はあまり出てこないし、そもそもデパートのレストランという存在がほぼ意識の中にない外国人にはサプライズの領域であり、一様に驚かれます。デパ地下もいいけれどデパ上もお勧めなのであります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月24日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。