投資の目的は「お金を増やすこと」だけではない

投資の本来の目的は資産を増やして経済的に豊かになることです。しかし、私はもうお金の為だけに投資をする必要は無くなりました。こう書くと何だか上から目線で偉そうに聞こえるかもしれませんが、これまでの投資で自分が必要な資産を充分に手に入れることができたからです。

それでも未だに投資を続けているのは、お金を増やすこと以外の投資の目的があるからです。

その目的の1つは社会貢献です。

カンボジア、フィリピン、ベトナムなどの新興国の不動産に投資をしていますが、投資を通じてこれらの国の経済成長に貢献できます。日本国内に滞留している余剰な資金を資金が不足している新興国に回していくことは資本主義社会における社会貢献になると考えています。

また国内のスタートアップ企業の未公開株式や私募債にも投資しています。これは資金提供によって成長をファイナンス面でサポートして企業価値を高めることに貢献することができます。

さらに自分の投資の経験を個人投資家にフィードバックすることによって、私のミッションである「日本人のお金との付き合い方を変えること」を実現できれば、それも社会貢献になると考えています。

そして、もう1つの目的は自分自身のクオリティ・オブ・ライフを高めることです。

例えば、香川県の三豊で進めている宿泊施設の建設は、自分でも利用することを想定して投資しています。自分が泊ってみたいと思えるような宿泊施設を作ることができるのは投資を超えた楽しさがあります。瀬戸内海が一望できる高台で建設が着々と進んでいます(写真)。

あるいはワインやウイスキーへの投資も行っています。購入して将来の値上がり益を狙っていますが、同時にそれぞれの専門家とのネットワークを構築することにも繋がり、個人的に楽しむための情報収集にも役立っています。

さらに現在投資を検討しているドッグランができる庭が付いた宿泊施設は自分が犬と一緒に出かけることも想定して物件を探しています。自分が使わない間は宿泊物件として貸出しをして不動産収入を得ることができそうです。

このように投資をやり続けることによって得られる経済的な収益以外のリターンがある限り、今後もライフワークの1つとして投資を続けていこうと思います。

mapo/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。