総選挙を前に、与野党がこぞって「消費税減税」を公約として掲げ始めた。物価高対策を理由に掲げる政党が並ぶが、実現可能性よりも選挙戦術としての「減税ポピュリズム」が前面に出ているのは否定できない。公約は選挙の道具であり、政権を取ったあとに実行される保証はどこにもない。
中道改革連合(立憲+公明)
- 19日公表予定の基本政策原案でのキャッチは「生活者ファーストの政治の実現」。
- 食料品の消費税をゼロにする方針を基本政策として調整中。
- 野党連携の看板政策として、物価高対策を前面に置く構図。
日本維新の会
- 藤田共同代表が「2年間限定で食料品の消費税ゼロ」を次期衆院選公約に盛り込む考え。
- 2025年参院選公約でも同様の内容を掲げており、「期間限定ゼロは以前からの主張であり強く訴える」と説明。
自民党
- 高市首相が衆院選公約に「食料品の時限的ゼロ%」案を検討中との報道。
- 「物価高で家計が苦しい」という理由付けだが、財務省ラインとの調整はこれから。
- 与党まで減税競争に参入すれば、円安・債券安に拍車がかかるとの市場警戒感も指摘されている。
国民民主党
- 消費税を一律5%に引き下げる案を重点政策素案に明記。
- キャッチは「『もっと』手取りを増やす」。
- 「130万円の壁」対策として給付制度創設、再エネ賦課金廃止で電気料金を下げるなど、家計対策を広範に打ち出す。
- 野党内では最も率直な「消費税全体を下げる」パッケージで、維新や中道改革を凌ぐ減税幅。
れいわ新選組(参考)
- 消費税廃止を掲げる唯一の政党であり、昔から「減税競争の最上位枠」に位置。
- 今回の野党勢の「減税ポピュリズム競争」を先取りした立場。
無責任な減税ポピュリズムの競争
- 今回の総選挙は、主要政党がそろって「消費税減税」を公約に掲げる異常な状況になっている。しかし、政権を取っても本当に実行できるかは極めて怪しい。選挙公約は“言うだけ”で済むため、財源や制度改革はほぼ議論されていない。
- 国民民主は「5%引き下げ」、維新と中道改革は「食料品ゼロ」、自民も「食料品ゼロ」を検討。選挙のために無責任な減税ポピュリズムの競争が起きている。
- 与党まで参戦すると、海外投資家は財政規律の劣化と見るため、円安・債券安が加速するリスクがある。株価は一時的に上がっても、長期金利上昇局面が続けば維持できる保障はない。
政党間で「減税ポピュリズム競争」が過熱し、消費税の引き下げは選挙戦術上の「必須アイテム」になりつつある。しかし、減税は財源抜きには成立せず、政権を取っても実現困難な公約であることは歴史が証明している。短期的には票に響くが、長期的には円安・金利上昇・財政悪化を通じて、国全体のコストとして跳ね返る可能性が大きい。

立憲民主・野田佳彦代表 高市早苗首相 国民民主・玉木雄一郎代表 各党HP・首相官邸HPより






