衆院選の比例代表は、政党名または略称を書いて投票する仕組みです。
ここに来て、立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」の略称が「中道」となり、さらに旧党名である「立民」「公明」と書いた票をどう扱うかが問題になっているという報道が出ました。
結論から言えば、これは明確に「無効」扱いとするべきです。
そして、全国で基準を統一しなければなりません。
「旧党名でも票になる可能性」が一番まずい
もし「立民」「公明」と書いた票が有効扱いされて、結果的に新党「中道改革連合」に入る可能性があるなら、何が起きるでしょうか。
たとえば過去の例で言えば、比例の投票用紙に「民主」と書いた票が、状況次第で案分される(按分票になる)ケースがありました。
この理屈を延長すれば、
「立民」と書いた票も「公明」と書いた票も“中道改革連合に入ってしまう”ことになる。
だったらもう、「民主」と書いた票も全部『中道改革連合』に案分しなければ整合性が取れないじゃないですか。
そんな選挙、混乱しかしません。
「新進党じゃダメなの?」問題にぶつかる
さらにややこしいのは、これが前例を作ってしまうことです。
「旧党名を書いても新党に入る余地がある」
となった瞬間に、
じゃあ、別の団体が『新進党』を名乗ったらどうするの?
じゃあ、昔の有名な党名を“再利用”したら票を拾えるの?
という議論が必ず出てきます。
党名・略称は、政治活動における看板です。
看板を巡って“得をした者勝ち”になるような運用は、制度として弱すぎます。
自分の看板を捨てたなら「両取り」は許されない
立民と公明が、それぞれ自党の看板を捨ててまで突き進んだ。
それはそれで、政治判断として重い決断だったのだと思います。
ならばなおさら、旧党名でも票が拾える可能性を残す「両取り」運用が許されるわけがない。
新党として再出発するなら、
- 投票用紙には「中道」または「中道改革連合」と書いてください
- それ以外は無効です
と、はっきり線を引くべきです。
「各地の開票管理者任せ」は、選挙の信頼を壊します
今回の報道で特に問題なのは、有効か無効かの判断が各地の開票管理者に委ねられる点です。
自治体によって判断が異なれば、「同じ一票」が場所によって価値が変わってしまう。
そんなことが起きれば、選挙制度の根幹が揺らぎます。
衆院選の比例代表では、正式名称でも略称でも投票できる。
「自由民主党」と書いても「自民党」と書いても有効。
「れいわ新選組」と書いても「れいわ」で有効。
この運用が成り立つのは、他党への投票と誤認されない範囲で“その党だ”と分かるからです。
しかし「立民」「公明」は、もう別の党名です。
ここを曖昧にしてしまったら、制度の整合性が崩れます。
制度を守るために、明確に「無効」で統一を
有権者の意思を尊重することは大前提です。
ただし、それは「ルールが明確で、全国一律に運用される」という土台があってこそ成立します。
今回の件は、
新党の略称は『中道』である以上、それ以外は無効。
この一点で、全国の基準を統一するべきです。
政治はルールで動きます。
そして選挙は、民主主義のルールそのものです。
ここで曖昧さを残してはいけないと思います。

立憲民主党HPより
編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年1月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。






