何処に向かう?株価の行方

日本の株価はずっと上昇トレンドでホクホクしていた方も多かっただけに今回の下落のダメージは大きい人も多いのではないかと思います。「いったいどこまで下がるのだ?」と言ってもそれは相場のみが分かること。そして背景が戦争であり、原油であることから戦局を見極めるしか株価予想は出来ないのであります。

こういう時にはチャートを見ても何の意味もありません。昨日の下落を受けて「日本株は75日平均移動線をかろうじて維持できたから当面の底値確認だ」という見方をする筋もありますが、それは仮に当たったとしてもそれはまぐれでしかありません。くれぐれも申し上げますが、チャートは平時にしか意味をなさないのであってこのような事態の時はほぼ役に立ちません。

株価形成は買い手と売り手の相対価格です。今買おうとする人の心理は「高値から大分下がった。突っ込みどころだから買おう」であり、今売りたい人は「戦局は長引きそうだ。日本の物価への影響も気になる」という人であります。基本的には後者の人が多く、また機関投資家はリスクを最小限にするために思い切った判断をすることも多いため、大型株が主流のプライム市場は激しく売られることもあります。一方、スタンダードやグロース市場は個人投資家が主流なので案外、前者の突っ込み買いが機能し、株価が割と維持されているケースもあるかと思います。ただし、激しい下落が続けば追証が出てくるために否が応でも売却する層が出てきます。現状、そこまでには至っていませんが、日経平均が仮に5万円を切ってくるようなら構えたほうがよさそうです。

では投資家が見る戦局判断は何処を見るべきでしょうか?基本的にはトランプ氏の言動しかありません。以前から申し上げているようにトランプ氏はもともとは戦争がお好きではなかったのにネタニヤフ氏にそそのかされて今のようにすっかり態度豹変をしたとみています。とすればトランプ氏の意思は案外固そうにみえますが、実は柔らかいスポンジのような姿勢があるようにも感じます。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより

トランプ氏の最大の敵は誰か、と言えば世論だろうと思います。政権幹部には「お前はクビだ!」と言えばどうにでもなりますが、世論だけはクビにできないのです。ここでガソリン価格が急騰し始めており、ただでさえトランプ氏の今回の判断に疑問符をつけているトランプ支持層のMAGA派がトランプ氏に本気でクレームを入れるようになれば「米軍は弾切れ懸念があるし、一旦、引くかな?」という気が起きる可能性はあります。問題はネタニヤフ氏が「今が一番重要な時だ。ここで手を緩めてどうすのだ、トランプさん」という点でしょう。

イランの最高指導者にハメネイ師の次男、モジタバ師が選ばれたことにネタニヤフ氏は「いつでも暗殺ができるがどうする?」とトランプ氏をそそのかしていることでしょう。それに対してトランプ氏の判断が鈍い様子を見て取っています。それをすればどうなるか、イランがいよいよ態度を硬化するのが目に見えているからだとみています。つまりモジタバ氏を殺害すれば当面の戦争の打ち切りどころがなくなり、長い戦争になる覚悟をしなくてはいけないのです。(武力で優っているから戦争に勝てるというのは妄想です。ベトナム戦争を思い出したらわかるでしょう。それとアメリカは武器商人であり、実践はイスラエルのように長けているわけではないです。)

今日のNY市場の後半を見ているとトランプ氏の戦争早期終結の可能性を示唆したことで急速に株価が回復しています。ただこれがホルムズ海峡問題を解決したわけではないのです。イラン革命防衛隊はアメリカ、イスラエルの行動に怒り心頭でしょう。とすればそう直ぐに状況が変化するのか、相手があることだけに慎重に見た方が良いでしょう。

ところで在韓米軍の一部がイランに派遣されるという話があり、また武器も引き上げられているとされます。韓国軍は対北の防御が手薄になるので怒っており、米軍と韓国軍で折り合いが悪くなっているとされます。これなどはほんの一例なのですが、今回の戦争が始まってたった10日程度で既に歪みが生じているのです。ロシアなどウクライナに4年間攻め続けていることと比較すればトランプ氏が如何に素人臭く、要所責めしかできないことが見て取れます。

では株価の判断です。この戦争はやっぱり長く続かないとみるのが現状、最も妥当な予想だと思います。トランプ氏はある日突然、「やーめた」というタイプなのでどこでその判断をするかですが、一応、当初見込んでいた2-3週間、つまり3月下旬ぐらいまでが一つの区切りになると思います。とすればあと1-2週間は株価は乱高下する公算はあり、一時的に日経平均5万円割れもないとは言いきれない気がしますが、戦争が収まれば戻り足は早いと思います。

北米の株価も大きく調整していますが、私はじたばたせず、時が来るのをじっと待つスタンスです。ファンダメンタルズは悪くないですから。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月10日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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